1999 Fiscal Year Annual Research Report
タクリマカン沙漠南縁オアシスにおける水文環境の変化と沙漠化
Project/Area Number |
10041086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 一般 |
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高村 弘毅 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (80062826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕一 立正大学, 地球環境科学部, 助教授 (70015858)
澤田 裕之 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (00097239)
門村 浩 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (80087064)
島津 弘 立正大学, 地球環境科学部, 講師 (90251909)
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Keywords | タクリマカン沙漠 / 水文環境変化 / 沙漠化 / 河川流量変動 / 河川分流と遺跡 / 土地利用変化 / 段丘地形 / 社会経済的要因 |
Research Abstract |
調査研究に関する中国側研究分担者代表との協定書(1998年7月7日締結)、ならびに平成11年度交付申請書の調査研究実施計画の一部変更に基づき、1999年8月23日より同9月14日まで北京市、ウルムチ市、現地タクリマカン沙漠南縁部において資料収集、現地調査を実施した。ウルムチからタクリマカン沙漠の各オアシスまでの移動ルートは、沙漠横断道路からニヤ経由ケリヤ入りし、ここを中心にケリヤ川の上・下流の調査に出かけた。そのため沙漠中央部の移動砂丘の実状と飛砂対策など観察でき予想外の収穫ができた。研究調査の主な概要は次のとおりである。 1 文献・資料収集:北京市:北京大学・北京市図書館・書店、ウルムチ市:新疆大学・中国科学院新疆分院生態・地理研究所などにおいて約30点収集。 2 現地調査:途中ルート沿いの自然環境と社会環境を慨査し、主としてケリヤ川の下流(Karadon)・上流(甫魯)流域とチェルチェン川中流域を詳査した。 1)水文地形調査:ケリヤ川下流の旧河跡湖(タシクル)や段丘上の古代遺跡(Karadon)の離河岸距離と河床との比高の調査から古代集落時代の河川流量の推定を試みた。結果:河川流量の変化のみならず、流路の変化の影響があることが判明。また、河岸段丘の形成の確認と河川流量の変化の時代的考証(^<14>C・花粉分析)が可能かどうかを検証。 2)水文環境調査:河川流量調査で河床内の伏没と滲出の反復、低水温などの理由により予想外に恒常流が沙漠内陸部まで到達。また、今年は500年に一度という多雨があり、広大な氾濫と下流域まで流量の存在が認められ、衛星写真による解析が必要。土壌水分、気温、地温の24時間観測、浸透実験(4地点)、河川・井戸調査(測水、採水)を実施。 3)土地の荒廃・沙漠化、農業・牧畜などの調査、中国側により現状把握ができた。
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