1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 一般 |
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
井口 富夫 龍谷大学, 経済学部, 教授 (70113115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マノジュ シュレスタ 甲南大学, 経営学部, 助教授 (90248097)
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Keywords | 保険 / 規制 / 規制緩和 / 簡易保険 / 民営化 / 郵政省 |
Research Abstract |
本研究の目的は、公的任意加入保険制度の国際比較によって、世界最大の公的任意加入保険制度である、わが国の簡易保険事業の今後のあり方を検討することであった。 本研究期間は3か年であるが、その第2年度に当たる本年度は、公的任意加入保険制度に関する歴史的考察として、資料収集、実態調査等の国内調査を進めるとともに、アメリカでの保険業の実態調査も行なった。さらに、保険業に対する公的規制の現状についても考察した。本年度の研究・調査から明らかになった点は、以下の通りである。 ・公的任意加入保険制度の導入に際して、社会保障面での配慮とともに、政府の財政面への貢献も、少なからず検討されていた。 ・簡易保険事業は、多くの国において、最初は民営で実施された。最初から、国営であったのは、主要国の中では、わが国だけであった。 ・民営で出発した国でも、一旦、国営に移管された国もあるが、大部分の国では、その後民営の戻されている。 ・海外では、公的任意加入保険制度は存続していても、その規模は徐々に縮小している。拡大傾向にあるのは、わが国だけである。 以上の研究成果を基礎にして、次年度は、民間の保険会社による事業活動が活発である現在において、なぜ公的な任意加入保険制度が存続しているのかについて検討を加える。
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