1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041112
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣本 史雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00092544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 典夫 理化学研究所, 技術部・専任技師
吉井 尚 愛媛大学, 理学部, 教授 (00036360)
荻尾 彰一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242258)
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Keywords | 宇宙線 / 空気シャワー / 加速源 / 宇宙線伝播 / Vela超新星残骸 / 到来方向異方性 / 銀河面 / 宇宙ガンマ線 |
Research Abstract |
前年度の準備実験に引き続き、本実験を遂行し、データの蓄積につとめている。この本実験は今後3年程度は継続して行う予定である。 本年度は、7月から10月にかけて、荻尾、田島、常定(研究協力者、東工大大学院博士課程1年)をボリビアに派遣し、観測データの取得をするとともに、測定装置の一部改善、校正データの取得を行った。このうち校正データは、おもに、宇宙線到来方向決定や一次宇宙線エネルギー決定精度を向上させるためのもので、現地での観測装置設置後行う必要があり、観測データの蓄積を実行しながら行われた。また、旧来の記録装置である、8mmテープ装置をDVD-RAM装置に変更するとともに、OSもLINUXに変更した。これにより、より安定した観測システムの構築に成功し、測定のdeadtimeが著しく改善された。 今までに得られたデータは、垣本、吉井、荻尾により逐次解析が行われ、以前のデータによって示唆されていた、銀経270度近辺の宇宙線過剰が確かめられた。ただし、解析プログラムも開発中であり、また、データ量も不十分であるので、更なる統計量の増大につとめる必要がある。 以上の途中経過は、平成11年8月に開催された第26回国際宇宙線会議において、荻尾が口頭発表した。 今後の予定としては、安定な観測を続行し、データの蓄積を早急に計るとともに、観測データと比較すべきシミュレーション計算を行う。現時点では、観測されている宇宙線過剰は、その領域の空気シャワーミューオンの解析より宇宙ガンマ線であるとは結論できないことから、Vela領域で加速された宇宙線のフローが関与しているのではないかと考えている。予備的なシミュレーション計算によれば、太陽系近傍の宇宙磁場構造をある程度仮定すると、観測データを説明できそうである。最終結果を得るには、更なる詳細なシミュレーション計算が必要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] D.Senda,S.Ogino and F.Kakimoto: "Simulation of the propagation of primary cosmic rays with energies of 500TeV accelerated at Vela SNR"Proc.of 25th International Cosmic Ray Conference. 4. 269-272 (1997)
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[Publications] F.Kakimoto et al.: "Enhancement of cosmic rays from the Vela region at E>10^<12>eV"Proc.of 26th International Cosmic Ray Conference. 4. 279-282 (1999)
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[Publications] 常定 芳基: "宇宙線到来方向分布における銀河面集中の研究"東京工業大学修士論文. 85 (1999)
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[Publications] 原島 隆: "新空気シャワーアレイの特性の研究"東京工業大学学位論文. 55 (1999)