1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041155
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 三保子 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90006453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月井 雄二 法政大学, 第一教養部, 教授 (20163777)
見上 一幸 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 教授 (90091777)
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Keywords | ゾウリムシのシンゲン / 接合型 / 種分化 / 種問雑種 |
Research Abstract |
ゾウリムシ(Paramecium caudatum)は従来接合型の違いにより16のシンゲン(遺伝学的種)に分かれていると考えられてきた。しかし、近年、シンゲンが種の分化を必ずしも反映するものではなく、複雑な進化経路を辿っていることが示唆されている。その全容を明らかにするためには多様なシンゲン・沢山の株を比較検討する必要がある。現在、標準株が維持されているのは、16のうち8シンゲンだけである。そのため、シシゲンが最初に記載された国、米国を含む5大湖周辺で精力的に採集を行い、以下の成果を得た。 1. 採集地点は米国シカゴに始まり、サンダーベイ、マラソン、サドベリー、トロント、ブルーミントンと5大湖を一巡するコースで、125地点で採集した。そのうち、ゾウリムシを14地点で採集できた。 2. P.caudatum以外の繊毛虫は、P.aurelia,P,bursaria,Frontonia,Euplotes,Stylonichia,Dileptus,Colpes,Lembadion,Halteria,Uronema,Trithigmostomaが得られた。 3. 14地点で得られたゾウリムシから75株を単離培養株として確立し、中国で採集した接合型未知の株も加え、既存の8シンゲンとの相補性を検討した。シンゲン1,2,3.12に属する株を得た他、8シンゲン以外の相補的な接合型すなわち新シンゲンが6コ(当面、シンゲシA,B,C,D,E,Fとする)見つかった。 4. そのうち、シンゲンA,C,Fは抗接合型V抗体と弱い交差反応を示した。 5. 株110は3シンゲンにまたがる接合型E^<3,5,6>を発現する。 まだ、接合型を同定不能の株が20株あり、これらに新シンゲンに属するものが含まれている可能性は高い。今後、RAPDパターンやmtDNAの多型の検討を行う。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Mayer: "A mutation in Paramecium tetraurelia reveals functional and structural features of developmentally excised DNA elements." Genetics. 148. 139-149 (1999)
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[Publications] Y.Nakajima: "Indispensable function of the germ nucleus for postconjugational stomatogenesis in Paramecium caudatum:An evidence against its genic function shown by hypohaploid micronuclei." Develop.Genetic.23. 142-150 (1998)
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[Publications] X.Yang: "Disturbance of the determination of germinal and somatic nuclei by heat shock in Paramecium caudatum.:" J.Euk.Microbiol.46:1(in press). (1999)
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[Publications] 渡辺一郎: "嫌気性織毛虫Trimyema compressumの接合" 原生動物学雑誌. 32. 49-49 (1999)
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[Publications] 松田厚志: "ヒメゾウリムシの行動突然変異体pwBの不思議な遺伝様式" 原生動物学雑誌. 32. 71-71 (1999)
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[Publications] 黒川浩也: "ゾウリムシの接合後の小核数と大核原基の成長:抗αtubulin抗体を用いた解析" 原生動物学雑誌. 32. 45-45 (1999)
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[Publications] H.Imai: "Japanese Ant Color Image Database CD-ROM第2版" 日本蟻類研究会, (1998)
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[Publications] Y.Tsukii: "Protist Database CD-ROM第3版" (1998)