1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウォーレシア(インドネシア)先住民族の集団遺伝学的研究
Project/Area Number |
10041158
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 百樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60156635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾本 恵市 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (10011503)
赤尾 信明 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (00126559)
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農業生命科学研究科, 助教授 (00173922)
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Keywords | ウォーレシア / インドネシア / アルフル族 / 集団遺伝学 / マラリア / セラム島 |
Research Abstract |
1998年11月5日より11日まで、Indonesia国Ma1ku州Seram島Masohi地区Rouhua村の住民(アルフル族)の調査を実施した。対象としたのは、186名(15歳以上135名;15歳未満51名)である。(1)成人135名については、約20項目にわたる身体計測を行った。ガジャマダ大学の研究分担者はすでに他の近隣集団の計測データをもっているので、それとの比較を行い、形態的にみた系統関係についてデータの解析中である。(2)成人については採血をおこなった。現地でのディッブティック法により、2名が現在マラリアに感染していると判定された。実際の感染率はもっと高いが、乾季であったため見かけ上の感染者は少なかったものとおもわれる。血液の一部は分離し、ガジャマダ大学ならびに東京大学でDNAを抽出した。また、血液のリンパ球についてはEBウイルスにより樹立細胞系とした。(3)住民186名(15歳以上135名:15歳未満51名)について腸管寄生嬬虫類ならびに原虫類の感染状況を調査した。その結果,回虫卵陽性者は成人で60.2%(子供74.0%)、鞭虫63.2%(子供76.0%)、鉤虫50.4%(子供46%)、赤痢アメーバ嚢子18.0%(子供6.0%)、プラストシスチス65.4%(子供50.0%)と極めて高い感染率であり、成人の98.5%、子供の98.0%が何らかの寄生虫に感染していた。吸虫類,条虫類の感染者はみられなかった。(4)聞き取り調査により、村の住民の血縁関係や人口構成についての資料をえた。現地の医療機関や行政機関からの協力があり、調査は効率よく実施された。
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[Publications] 赤尾信明: "最近の寄生虫感染症-その傾向と対策" 臨床検査Yearbook'98. 107. 129-137 (1998)
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[Publications] 赤尾信明: "ウィルスと原虫・寄生虫感染症の検査診断2-G、糸状虫" 臨床病理. 108. 247-252 (1998)
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[Publications] 清水早穂: "眼トキソカラ症の早期眼底所見" 眼科. 40. 947-952 (1998)
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[Publications] Tokuhara,M.: "Molecular cloning of human Frizzled-6." Biochem.Biophys.Res.Com.243. 622-627 (1998)
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[Publications] Goto,Y.: "Creeping eruption caused by a larva of the suboder Spiruruna type X." Brit.J.Dermato.139. 315-318 (1998)