1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041164
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 英実 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60027480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
中野 良彦 大阪大学, 人間科学部, 助手 (50217808)
中務 真人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00227828)
仲谷 英夫 香川大学, 工学部, 教授 (20180424)
沢田 順弘 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80196328)
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Keywords | 中新世中・後期 / ヒト上科霊長類 / 化石 / サンブルヒルズ / ナチョラ地域 / ケニヤピクス / 古生物学 / 地質調査 |
Research Abstract |
近年、人類の由来が徐々に明らかにされつつあるが、500万年以前についてはまだ謎に包まれている。これは人類誕生に深く関わる中新世中・後期のアフリカ産ヒト上科霊長類の化石資料が極めて貧弱なためである。そこで、この時代に焦点を合わせた発掘調査が人類学の最大課題となっている。 私共の調査は北ケニアのナチョラ地域かちサンブルヒルズにいたる堆積層の露頭(1500万年前から500万年前)を対象とした発掘、古生物学的、地質学的な総合調査である。 発掘調査については、これまでにサンブルピテクス(約950万年前)、ケニヤピクスとニアンザピテクス(いずれも1500万年前)、加えてオナガザル科のヴィクトリアピテクス(1500万年前)を多数発見しているが、今年度もナチョラ地域およびサンブルヒルズでの発掘調査を行い、多数のケニアピテクス化石を発見した。なかでもナチョラ地域のBG-K化石産地からケニアピテクス幼児の上・下顎骨を含む頭骨と四肢骨の発見は画期的であり、現在クリーニング(マトリックスの除去作業)を行っているが、これが完了次第公表する予定である。さらに、サンブルヒルズのモロアベニョウ地域からも大量の哺乳類化石を発見しており、その分析は中新世後期の環境に関する私共知識を一段と充実させるものになると考えられる。地質調査では、年代測定用の岩石の採集に加え、堆積機序の解明に向けた新たな試みをはじめた。 発掘調査に加えて、化石標本の記載、分析を同時に行うために、ケニア国立博物館、フランス国立自然史博物館、大英博物館(自然史)、アンタナナリブ大学、西オーストラリア大学など広範囲の研究機関を訪問、滞在して比較資料や情報の収集に努めた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masato Nakatsukasa: "A newly diservered Kenyapithecus skeleton and its implications for the evolution of positional behavior in Miocene East African hominoids" J.Human Evolution. 34. 657-664 (1998)
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[Publications] Yoshihiro Sawada: "K-Ar ages of Miocene Hominoidea (Kenyapithecus and Samburupithecus) from Samburu Hills, Northern Kenya" C.R.Acad.Sci.Paris. 326. 445-451 (1998)