1999 Fiscal Year Annual Research Report
塩湖の好塩微生物の学術調査と新規ハロゲン化酵素および脱ハロゲン酵素の開発
Project/Area Number |
10041167
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
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Keywords | 塩湖 / ハロゲン代謝 / ハロゲン化酵素 / 脱ハロゲン酵素 |
Research Abstract |
塩成分や濃度の異なる世界各地の塩湖に棲息する好塩微生物を調査し、ハロゲン代謝に関連する新しいハロゲン化酵素・脱ハロゲン酵素の単離の可能性を探ることを目的として研究を実施した。昨年度、オーストラリア国メルボルン大学のMike Dyall-Smith 教授の援助を受けて採取した西オーストラリア各地の塩湖の湖水から、高度好塩微生物を単離した。また、アメリカ合衆国カリフォルニア州各地の塩湖からも、好塩微生物を単離した。各種湖水サンプルを、4、6-ジクロロレゾルシノール、1、2-ジクロロエタン、フルオロ酢酸、4-クロロレゾルシノール、2-クロロプロピオン酸、2-クロロプロピオンアミド、グリセロール-α-モノクロロヒドリン、クロロ酢酸などの有機ハロゲン化合物を含む培地に接種し、培養したところ、前3者を含む培地で菌体の生育が認められた。4、6-ジクロロレゾルシノール添加培地で生育した菌を顕微鏡で観察したところ、球菌のみ存在することが明らかとなった。本菌に、4、6-ジクロロレゾルシノール分解酵素、あるいは本化合物に対する他の耐性機構が存在することが示唆された。一方、中華人民共和国云南大学微生物研究所の姜成林教授との共同研究により、3-クロロ-1-プロパノールを炭素源とする培地で生育する微生物(細菌1株、放射菌2株、カビ3株)を単離した。クロロプロピオン酸、グリセロール-α-モノクロロヒドリン添加培地で生育する細菌も得られた。
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