1999 Fiscal Year Annual Research Report
タイ国北部における自然エネルギシステムの利用に関する研究
Project/Area Number |
10041181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 一般 |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
玉木 浩二 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (70011921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安富 六郎 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (10011892)
藍 房和 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (20014920)
穴瀬 真 東京農業大学, 地球資源環境研究センター, 学術研究員 (80015619)
CHIYANAM Dissataporn タイ国農業協同省, 土地開発局, 研究官
石原 邦 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70014925)
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Keywords | 小規模灌漑 / 複合農業 / 水利用 / 土地利用 / 環境保全型農業 / アグロフォレストリ / 自然エネルギー利用 / ソーラーポンピング |
Research Abstract |
タイ国北部及び東北部は,近年の環境破壊等により水資源が乏しくなってきており,農業の生産性の向上が困難である.この様な状況の中,日本からはODAにより小規模灌漑プログラム(Small Scale Irigation Program:SSIP)がタイ国との共同事業により,タイ国内800ヵ所以上の地点で展開されている.しかし,これらの事業は貯水池のみの建設や幹線水路までの建設であるため,多くのものは有効に機能しているとは言い難い.しかし,幾つかの貯水池では受益者が多くの恩恵を受けている.これらの機能しているSSIPについて調査することは,今後のタイ北部および東北部における農業の水利用の指針を立てる上で重要である.そこで,本年度は昨年度までの調査結果をもとに,調査対象のSSIPサイトを決定し聞き取り調査を行い,収集したデータにより検討を行っている. 一方,タイ国では農民層の経済的な向上・安定をはかるために,複合農業システム(Integrated Farming System:IFS)が王室のプロジェクトとして行われている.この事業では,農民の所得する土地内に溜池を設け,多様な栽培を可能にするものである.この事業は,水利用だけでなく,土地利用,環境保全型農業やアグロフォレストリといった栽培体系,自然エネルギー利用といった多くの注目する点がある.そこで,昨年度までの調査結果をもとに,調査対象とするIFSサイトを決定し聞き取り調査を行った.さらに,IFSにおける自然エネルギ利用について実験的な検討を行うために,選定した農家の一つにソーラーポンピングシステムを設置した.このシステムは溜池内の水をタンクに汲み上げ灌水に利用するものであり,実際に農家が使用している.システムを評価するために,システムは自動計測用のデータロガーに設置し,データの収集を行っている.
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