2000 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカにおけるHIV/AIDSとその関連疾患の分子疫学的調査・研究
Project/Area Number |
10041191
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Research Institution | Tokyo Medical Dental University |
Principal Investigator |
山本 直樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00094053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照沼 裕 山梨医科大学, 医学部, 講師 (50217436)
鈴木 宏 新潟大学, 医学部, 教授 (20091704)
菅村 和夫 東京医科歯科大学, 大学院・東北大学・医学研究科, 教授 (20117360)
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Keywords | HIV感染症 / 後天性免疫不全症候群 / 結核 / アフリカ / 南部アフリカ / ザンビア / 南アフリカ / エイズ |
Research Abstract |
世界でもっとも人口あたりのHIV感染者数が多いこの南部アフリカにおけるHIV/AIDSの現状についての昨年までの調査で、この地域でHIV/AIDSの医療に必要とされていることは、1)HIV/AIDSのnatural historyを明らかにすること、2)多くの感染者にaffordableな治療法の開発、3)HIVに対するワクチンの開発、4)母子感染対策、5)結核対策の5点であると考えられた。以上、1)から5)の事柄について、今年はさらに検討を進めた。1)について3年間のフォローアップ調査で無症候性HIV-1感染者での死因で一番多いのは結核であった。2)について倫理委員会で審査の後患者からのインフォームドコンセントを得た後、安価な薬を試し、薬物の血中濃度が保たれている症例ではCD4陽性Tリンパ球が保たれた。処方を受けている患者で血中濃度が保たれていない患者が多く、服薬指導を強化した上で、今後、さらに検討が必要である。3)についてHIV-1のenv領域についてザンビアの首都ルサカで妊婦28症例から塩基配列を検討し26例は南部アフリカで多いとされてぃるsubtype Cであったが、subtype D likeとsubtype G likeも新たに発見された。4)については母子感染は胎内、出産時、出産後の感染はそれぞれ3分の1であり、現在発展途上国で進められている短期の抗HIV剤の投与による母子感染の予防では効果は限られており、感染している母親に対する治療とあわせて、さらなる対策が必要であると考えられた。5)についてはザンビアでの薬剤耐性結核は高率であり、効果的な治療のために迅速な感受性検査法が必要であると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Handema,R. 他: "Emergence of new HIV-1 subtypes other than subtype C among antenatal women in Lusaka, Zambia"AIDS Research and Human Retroviruses. (in press). (2001)
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[Publications] Owada,T. 他: "Antibody masking renders HIV-1 resistant to the cationic membrane filtration through alteration of its electrostatic character"J.Virological Methods. (in press). (2001)
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[Publications] Dai,J.H. 他: "Glycyrrhizin enhances IL-12 production in peritoneal macrophages "Immunology. (in press). (2001)
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[Publications] 照沼裕 他: "ザンビアにおけるエイズ治療の足掛かり"化学療法の領域. 16. 483-488 (2000)
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[Publications] He,L. 他: "IL-18 and IL-1β productions are decreased in HIV-1-seropositive haemophiliacs but not in HIV-1-seropositive non-haemophiliacs"AIDS Research and Human Retroviruses. 16. 345-353 (2000)
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[Publications] Deng,X. 他: "Higher prevalence and viral load of TT virus in saliva than in the corresponding serum : another possible transmission route and replication site of TT virus"J Medical Virology. 62. 531-537 (2000)