1998 Fiscal Year Annual Research Report
高度の異なる多雨林生態系の地球環境変化に対する応答
Project/Area Number |
10041221
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Research Institution | KYOTO UNIVESITY |
Principal Investigator |
山村 則男 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (70124815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅道 森林総合研究所木曽分場, 主任研究官
武生 雅明 森林総合研究所, 研究員
北山 兼弘 森林総合研究所, 主任研究官
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
菊澤 喜八郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (50271599)
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Keywords | 標高 / 生態系機能 / 土壌動物 / 落葉量 / 菌根菌 / 落下糞量 |
Research Abstract |
ボルネオ島キナバル山を中心にして、高度と地質条件の異なる森林生態系において、生態系機能の総合的調査を行った。落葉量調査により、年間トータル落葉量は500-1000gm^<-2>yr^<-1>に達することが明らかになった。落下糞量調査からは食葉性昆虫の糞量は年間1-8gm^<-2>yr^<-1>であり、食葉性昆虫群集による摂食量は年間葉生産量の5%以下の僅かな量であることが解った。したがってこれら熱帯山地森林生態系において生食連鎖に流れる量はわずかであり、大部分は直接土壌中の腐食連鎖に流れることが示唆された。土壌中では乾燥の卓越する3月にアンモニア態窒素の無機化速度が最大となり、多くの樹種の開葉がこの時期に見られることから、開葉はこの時期の土壌中の養分放出を契機として生じていることが示唆された。土壌動物調査からは、低標高の森林では中型土壌動物が多く、高地特に蛇紋岩土壌ではミミズの現存量が大きいことが解った。土壌菌類の調査では菌根菌の密度が中標高で高いことが示された。これらから、森林土壌の分解系においては低標高では中型土壌動物が、中標高では菌類がそして高標高ではミミズが重要な機能を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kudo, G.: "Droughteffects on the summit vegetation on Mount Kinabalubyuan EI Ninoeventin 1998." Sabah Parks Nature Journal. 2. 101-110 (1999)
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[Publications] Kitayama, K.: "Soil nitrogen mineralization rates of rainforests in a matric of elevations and geological substrates on Mount Kinabalu, Borneo." Ecological Research. 13. 301-312 (1998)
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[Publications] Kitayama, K.: "Climate profile of Mount Kinabalu during late 1995-early 1998 with special reference to the 1998 drought." Sabah Parks Natura Journal. 2. 85-100 (1999)
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[Publications] Hikosaka, K.: "Photosynthetic nitrogen-use efficiency in leaves of woody and herbaceousspecies." Functional Ecology. 12. 896-905 (1998)
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[Publications] Hikosaka, K.: "Light acquisition and use by individuals competing in a densestand of an annualherb, Xanthium canadense." Oecologia. 118. 388-396 (1999)