1998 Fiscal Year Annual Research Report
中国食堂癌多発地域および本邦における食道癌化機構の比較検討・マイクロサテライト不安定性解析による検討
Project/Area Number |
10042008
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 陽一 九州大学, 医学部, 助手
北村 薫 九州大学, 医学部, 助手 (70234276)
大野 真司 九州大学, 医学部, 講師 (50203881)
ZHANG Ru Gan 中華人民共和国癌研究所, 教授
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Keywords | 食道癌 / microsatellite instability(MSI) / 飲酒 / 喫煙 / p53 / HPV感染 / 家族歴 / 生活歴 |
Research Abstract |
【研究実績】 日本、中国の食道癌症例について以下の検討を行った。 1)背景因子を比較したところ、平均年齢は日本64.8歳に比し中国58.1歳で中国が低く、男女比では日本129:22に対して中国110:41で中国に女性が多かった。また、食道癌の家族歴に関しては日本3.3%に比し中国では13.9%に認め、中国が多かった。 2)飲酒歴、喫煙歴を比較したところ、日本では飲酒指数(g/日X年)100以上の大酒家が31.8%、喫煙指数(本/日X年)1000以上の多喫煙家が30.0%であるのに対して、中国ではそれぞれ7.9%、5.3%ありいずれも日本が高かった。 3)現在までの解析で明らかなMicrosatellite Instability陽性例は日本9.1%(4/44)、中国6.5%(2/31)あり差はなかった。 4)HPV感染頻度は日本20%(10/50)、中国19.6%(29/148)であり差はなかった。 5)p53異常率は日本55.3%(83/151)に比し中国43.3%(45/151)であり、日本が高かった。また、中国ではp53異常と飲酒歴、喫煙歴との間に関係を認めなかったが、日本では大酒家でかつ多喫煙家では94.1%(16/17)と効率にp53異常を認めた。 【今後の展望】 日本、中国などの地域性に関らず食道癌発癌におけるミスマッチ修復異常の関与の可能性は低いと考えられた。しかし、両国症例の背景因子や生活歴に関しては明らかな差異を認め、両国の食道癌発癌機構が異なることが示唆された。日本については食道癌発癌に少なくとも飲酒、喫煙などの生活歴が関与する経路が存在し、その経路にはp53異常が関わることが示唆された。今後そのメカニズムについて検討する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sugimachi K: "Advances in the surgical treatment of oesophageal cancer." Br J Surg. 85. 289-290 (1998)
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[Publications] Ohno S, et al.: "Significance of annual esophagram for early detection of carcinoma of the esophagus" Gastroenterlogy. 44. 181-186 (1997)
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[Publications] Ohno S, et al.: "Simultaneous combination therapy of carboplatin and radiation for partients with carcinoma of the esphagus." Hepato-Gastroenterology. 44. 181-186 (1977)
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[Publications] Kitamura K, et al.: "Clinicopathologic feature of patients with oesophageal cancer obtaining a complete response for preoperative hypertheromo-chemoradiotherapy." International Journal of Hyperthermia. 14. 233-243 (1998)
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[Publications] Kitamura K, et al.: "What is the earlist maloignant lesion in the esophagus?" Cancer. 77. 1614-1619 (1996)