1998 Fiscal Year Annual Research Report
人間行動と進化-進化心理学の理論と実証およびその社会的影響
Project/Area Number |
10044003
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 寿一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30172894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARGO WILSON マクマスター大学, 心理学科, 教授
MARTIN DALY マクマスター大学, 心理学科, 教授
佐倉 統 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (00251752)
長谷川 真理子 専修大学, 法学部, 教授 (00164830)
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Keywords | 進化心理学 / 殺人行動 / リスク行動 / 出生順向効果 / 心的回転 / 社会生物学 |
Research Abstract |
研究初年度の本年は、まずマクマスター大学の研究チームを東京に招聘し、今後の研究の進め方についての議論を交した。その結果、共同研究のテーマとしては、殺人行動の行動生態学的研究、リスク指向性尺度の作成と検討、家族感情とパーソナリティにおける出生順位効果、心的回転能力の性差と個体内差、などを取り上げることにした。東京では、Daly博士、Wilson博士、Pound氏がそれぞれ上記のテーマに関連した最近の研究結果を公開で講演した。国内では、まず、日本の殺人データの分析を進展させた。すでに前年までの分析で、日本では1950年代から90年代の40年間に一貫して殺人率の減少が知られていたが、それは主に20代男性の殺人率の低下によるものであることがわかった。また、日本では諸外国と比して、嬰児殺が高率であることも明らかになった。先行研究でDaly博士は、中間生まれの子が長子、末子と比べて家族感情が弱いという傾向を指摘しているが、この傾向は日本における調査でも追認された。しかし、その他のパーソナリティ変数に関しては出生順位効果は認められなかった。リスク行動と心的回転課題に関する調査・実験は現在準備中である。日本からは99年1月と3月に渡カナダし、具体的なデータを前にして討論を深めた。佐倉は、社会生物学の社会的受容に関して、長谷川・長谷川・平石・丸山は進化心理学の実証に関して、カナダ側研究者と意見を交わした。
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Research Products
(2 results)