1998 Fiscal Year Annual Research Report
保育所における乳児の社会化に関する日仏間の比較文化的研究
Project/Area Number |
10044013
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Tsukuba Gakuin University |
Principal Investigator |
渡辺 三和子 東京家政学院筑波女子大学, 国際学部, 教授 (30231004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAUDELOT Olg フランス国立教育研究所, 研究員
BREAVTE Moni フランス国立教育研究所, 研究員
RAYNA Sylvie フランス国立教育研究所, 主任研究員
高橋 洋代 立教女学院短期大学, 幼児教育科, 教授 (60123139)
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Keywords | 保育所 / 社会化 / 乳児 / 比較文化 / フランス |
Research Abstract |
日本とフランスの保育所における0-2歳児の社会化過程を比較文化的な視点で分析し、保育における文化の意味を明らかにする目的で、以下のことを行った。 1.観察と調査の実施(1)両国の公立保育所各6園の0、1、2歳児のクラスの一日の観察とビデオ撮影。その後、映像からおこし記録の作成(2)園長に対するインタビュウによる42項目についての情報収集。各園とも2回ずつ。 2.日仏会議における資料のつきあわせと分析。 (1)観察データにもとづく分析。平成10年7月の会議において、両国1園ずつの映像を比較検討し、予備的な分析の視点と仮説を設定した。各々国内の分析を経て、平成11年3月の会議で以下の点に関する日仏間の相違を分析した。(1)保育者のほめ行動。禁止行動を通じての、善悪についての価値の伝達の仕方(2)子ども間の葛藤に関する考え方(3)集団と個人についての考え方(4)食事、睡眠等基本的な活動の概念(5)身体接触の概念(6)空間の使い方(7)ことばの位置づけ(8)衛生の概念(9)大人(保育者)と子どもの関係(10)親と職員の関係(11)集団保育の意味付け等。また両国の差異点について、文化的な要因、制度的な要因、歴史的な要因、各園の独自性を峻別するための討論がなされた。(2)インタビュー調査結果の分析。得られた情報は、観察映像との整合性、矛盾を検討しつつ、上記の映像分析の補足に用いた他、両国の保育の多様性の検討、および各国のもっとも典型的な保育像を抽出するための資料にした。 3.次回日仏会議に向けての課題。 (1)全園についてのさらに詳細な分析と修正。(2)各国の典型的な保育場面を集めたモンタージュビデオの作成。これは次の場面から成る。(1)登園時(2)設定遊び(3)食事(4)おむつ換え(5)就寝(6)いざこざへの保育者の介入。このビデオは国内および相手国の保育者に見せて反応を得るためのものである。(3)ミクロ分析のための場面の選定。(4)日本側は日本の保育に関する法規のフランス語訳。
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Research Products
(1 results)