1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 研一 北海道大学, 法学部, 教授 (90009853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 真 北海道大学, 法学部, 助教授 (90301861)
清水 一史 九州大学, 経済学部, 助教授 (80271625)
佐々木 隆生 北海道大学, 経済学部, 教授 (70091692)
遠藤 乾 北海道大学, 法学部, 助教授 (00281775)
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Keywords | 冷戦体制 / 世界秩序 / 安全保障 / 経済統合 / 東アジア / ヨーロッパ / 地域主義 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
本研究のモチーフには、ヨーロッパと東アジアの間の以下において根本的なギャップが見られるという情勢認識がある。すなわち、政治経済を問わず、国際地域的な対話枠組が、ポスト冷戦期における西ヨーロッパには確固として根付いているのに対し、東アジアにおいては脆弱なままであるということである。ここから、東アジアにおける地域対話の枠組の脆弱さを、冷戦史の起源に遡って、西ヨーロッパにおける安全保障と地域統合の共存補完関係と比較検討するのが本研究の目的となる。 前年度の基礎資料収集、シンポジウム・研究会等における研究の方向付けを受け、99年度は、まず日本・海外における関係者へのインタヴューや資料収集にも引き続き努力した。のみならず、その成果を毎週のように組織したワークショップを通じて、知の蓄積・交換につながるよう努めた。 前半の半年は、ジャーナリストや外交官など、実務家の方々を中心に研究会を開き、主に東アジアの地域秩序を検討した。7月には、コアのメンバーが集まり、共同研究の進展をチェックした。後半は、東アジアやヨーロッパなどの地域に分けて、内外から研究者を招聘し何度もワークショップを重ねた。とくに、本研究費でハーヴァード大のワイラー教授を招聘し開催したシンポジウムの内容は、近々北大法学論集(2000年第51巻)に掲載される。ワークショップの活動概要は、http://www.juris.hokudai.ac.jp/〜globe/ にてみることが可能である。
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Research Products
(25 results)
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[Publications] 中村研一: "グローバル化の政治学――ポスト主権状況と主権性の終焉"小川浩三編 複数の近代(北海道大学図書刊行会). (近刊). (2000)
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[Publications] 中村研一: "今、安保とは何か:書評 船橋洋一『同盟漂流』"しゃりばり(北海道開発問題研究調査会). 212. 56-57 (1999)
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[Publications] 中村研一: "夢の残骸――金日成のあやつり人形:書評 高沢皓司 宿命:「よど号」亡命者たちの秘密工作"しゃりばり(北海道開発問題研究調査会). 211. 46-47 (1999)
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[Publications] 中村研一: "遊撃隊国家の終焉:書評 和田春樹 北朝鮮:遊撃隊国家の現在"しゃりばり(北海道開発問題研究調査会). 210. 50-51 (1999)
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[Publications] 中村研一: "理想的な悪夢:書評 黄長よう『黄長よう回顧録・金日成への宣戦布告』"しゃりばり(北海道開発問題研究調査会). 209. 58-59 (1999)
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[Publications] 佐々木隆生: "Alternanza tra particolarita e universisalita : un'interpretazione dell' economie giapponese postbellica"Capire il Giapponne (Franco Angeli). 338-346 (1999)
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[Publications] 佐々木隆生: "ステイトとネイション(3)"経済学研究(北海道大学). 48・3. 127-141 (1999)
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[Publications] 佐々木隆生: "International Division of Labor and Capital Export"Economic Journal of Hokkaido University. 27. 1-9 (1998)
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[Publications] 清水一史: "ASEAN域内経済協力と生産ネットワーク形成――自動車部品相互補完流通計画を中心にして"『アジア産業ネットワーク』(アジア経済研究所). 22-43 (2000)
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[Publications] 清水一史: "The Proposal and Implementation of the Brand to Brand to Complementation Scheme, Intra-ASEAN Economic Cooperation, 1987-1995"Economic Journal of Hokkaido University. 28. 95-116 (1999)
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[Publications] 清水一史: "東アジアのリージョナリズム――ASEAN域内経済協力を中心にして"国際経済(国際経済学会). 51. 112-113 (1999)
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[Publications] 清水一史: "アジア経済危機とASEAN域内経済協力"世界経済評論(世界経済研究協会). 44・5. 39-48 (1999)
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[Publications] 清水一史: "曲がり角のASEAN域内経済協力――その経験とアジア経済危機への新たな対応"月刊東アジアレビュー. 1999年3月号. 13-15 (1999)
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[Publications] 川島 真: "中国における万国公法の受容と適用・再考"東アジア近代史. 3(近刊). (2000)
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[Publications] 川島 真: "外交交渉与地域設定〜以 「南満州」為例"『国際シンポジウム論文集』(北京日本学研究センター). (近刊). (2000)
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[Publications] 川島 真: "激動の中の中国外交――民国北京政府の外交官僚たち"五百旗頭真・下斗米伸夫編『20世紀世界の誕生――両大戦間の巨人たち』(ディクション). (近刊). (2000)
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[Publications] 川島 真: "ワシントン会議における中華民国全権代表団形成過程"北大法学論集. 50・2. 1-41 (1999)
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[Publications] 川島 真: "装置としての『台湾』と日本人の外縁――在暹『台湾人』国籍問題 1899-1900"日本台湾学会報. 1. 39-53 (1999)
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[Publications] 川島 真: "1921年ワシントン会議参加をめぐる中国統一論議――民国北京政府外交部による外交主体表現と正当性の維持"史潮. 45. 115-136 (1999)
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[Publications] 遠藤 乾: "重層化する政治空間:ポスト通貨統合の秩序像"世界. 658. 96-107 (1999)
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[Publications] 遠藤 乾: "地域統合・ヨーロッパ"アエラムック:新国際関係論がわかる(朝日新聞社). 50. 106-110 (1999)
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[Publications] 清水一史: "ASEAN域内経済協力の政治経済学"ミネルヴァ書房. 238 (1998)
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[Publications] 川島 真(共編著): "共同研究・中国戦後補償―歴史・法・裁判"明石書店(近刊). (2000)
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[Publications] 川島 真(天津地域史研究会)(共編著): "天津史:再生する都市のトポロジー"東方書店. 291 (1999)
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[Publications] Endo, Ken: "The Presidency of the European Commission under Jacques Delors : The Politics of Shared Leadership."Macmillan. 280 (1999)