1998 Fiscal Year Annual Research Report
「社会的アイデンティティ」の「間人」の相関についての日英比較
Project/Area Number |
10044041
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
柿本 敏克 山形県立米沢女子短期大学, 社会情報学科, 助教授 (70269257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
グリーンランド ケイティ ウェールズ大学カーディフ校, 心理学部, 講師
エイブラムズ ドミニク ケント大学, 心理学部, 教授
矢崎 弥 山形県立米沢女子短期大学, 社会情報学科, 助教授 (70211612)
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Keywords | 間人(かんじん) / 社会的アイデンティティ / 文化的背景 / 集団状況 |
Research Abstract |
本研究では、集団研究で近年注目される社会的アイデンティティと日本研究の文脈で提唱されてきた「間人(かんじん)」概念との概念的関係を検討することが目的とされる。研究代表者は人と人との間柄を重視して人間をモデル化する「間人」概念をかって操作化し、その測定のための特性尺度(「間人度」尺度)を作成した。3年間の研究計画では、これに対応する尺度を英語を用いて英国の文脈内で作成し、集団状況における個人の行動を観察・測定する実験及び関連調査を英国でおこない、日本でおこなう同様の実験・調査結果との比較をおこなう。 初年度は、実際の実験・調査に先立って、社会的アイデンティティと間大の両者についての理論的問題について本計画に参加する研究者間で相互に検討のための会合をもち、かつそれぞれの文化的背景の観察にもとづいて考察をおこなう予定であった。日程調整上の障害のため、予定されていた訪問のうち英国側研究者の招聘が実現できなかったが、日本側研究者2名がそれぞれ英国を訪問して初期の目的はなかば達成された。英国側研究者の招聘は来年度以降の課題である。 研究計画上は順序が逆になるが、初年度後半には日本人被験者四十名の参加を得た予備的な実験研究をおこなった。集団状況での集団成員としての行動が社会的アイデンティティと間人概念の双方にとって重要な分析対象となるが、その集団状況の萌芽的部分を実現する最小条件集団と呼ばれる実験状況において被験者が他の集団成員に対して示す評価・行動を測定し、同一の被験者に対して上述の「間人度」尺度、さらに集団同一視尺度、自意識尺度など関連する個人差測定をおこなった。集団成員としての評価・行動とこれら個人差要因とのかかわりが分析される予定である。資料の分析はまだ十分でないが、結果の詳細については学会などで発表される予定である。
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