1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044054
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤村 勇一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90004473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 幸義 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40203848)
河野 裕彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70178226)
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Keywords | 化学反応・ダイナミクス / 量子制御 / 配向制御 / シアン化スイソ / 核波束 / 電子波束 / クーロン爆発 / 偏光 |
Research Abstract |
偏光依存の核波束制御:これまでの局所最適フィードバック制御理論を拡張し、偏光依存の多次元系反応ダイナミクスの量子制御理論を構築した。反応系として、シアン化水素(HCN)の異性化反応をとりあげた。xー、yー偏光の2つの制御パルスにより得られた結果を1つのパルスによる制御と比較検討した。その結果、前者は後者と比較してより短い時間で反応が終了する。更に、HCNの異性化反応経路が2つあり、最適化制御パルスにより、反応経路の対称性を破ることが示された。 分子配向の量子制御:分子を配向させることは、気相分子反応の光波による制御にとって極めて重要である。光波の電場に着目すると、基本波とその倍音の電場を合成によって電場の振幅が正負の値が非対称性をもたらす。本研究では、極性分子として構造が既知のHCNをとりあげ、量子力学的手法により最適な制御電場を設計することを目的とした。2色光波電場の変数として中心周波数ω(2ω)と2つの電場成分の相対位相差φそれと電場の振幅である。時間依存Schrodinger方程式を解いて得られた最適電場は2ωがCH伸縮振動の0ー1遷移に共鳴するピコ秒パルスであった。 核と電子波束の運動方程式の厳密解:分子の超短時間領域で起るクーロン爆発機構を解明するために、核・電子波束の厳密解を得る新しい方法論を開発した。それはdual transformationを利用するもので、クーロン場のような特異点を持つ系に適用できる。現在、最も簡単な水素分子イオン、更に、2電子系2原子分子に適用し方法論の評価を行なっている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Watanabe: "photon polarization effects on quantum control of isomerization of hydrogen cyanide"J.Mol.Structure (Theochem). 461-462. 317-324 (1999)
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[Publications] C.M.Dion: "Two-frequency IR laser orientation of polar molecules. Numerical Simulations for HCN"Chem.phys.Letters. 302. 215-223 (1999)
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[Publications] I.Kawata: "Adiabatic and diabatic response of H_2^+ to an intense ten to second laser pulse"J.Chem.phys.. 110・23. 11152-11165 (1999)
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[Publications] H.Kono: "Magnetic field effects on the dynamics of a Rydberg electron: The residence time near the core"J.Chem.phys.. 110・24. 10895-10902 (1999)
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[Publications] H.Hoki: "Quantum control of NaI predissociation in sub picosecond and several-picosecond time regimes"J.phys.chem A. 103・32. 6301-6308 (1999)
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[Publications] H.Hoki: "Quantum control of the photodissociation of sodiumiodide"Bull.Chem.Soc.Jpn. 72・12. 2665-2671 (1999)