1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸本 忠文 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 圭介 福井医科大学, 助教授 (30212046)
阪口 篤志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70205730)
前田 和茂 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20125652)
野海 博之 高エネルギー加速器研究機構, 助手 (10222192)
応田 治彦 高エネルギー加速器研究機構, 助手 (60221818)
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Keywords | ハイパー核 / ストレンジネス / スピン軌道力 / 非中間子崩壊 / バリオン・バリオン相互作用 / 近距離相関 / クォークの自由度 |
Research Abstract |
核子やハイペロン間の近距離相互作用はクォークの自由度等バリオンの構造の影響が現れるため理解が不十分である。本研究ではハイペロン核子相互作用の中で特に近距離での相互作用に起源をもつと考えられる(1)Λ・ハイパー核のスピン軌道力の測定、(2)ハイパー核の非中間子崩壊におけるパリティ非保存と逆反応の研究を行った.(1)Λハイパー核のスピン軌道力は小さいことが知られていたが実験的に値が求まっていなかった。我々は^<13>_ΛCを(K^-,π^-)反応で生成し、そのスピン軌道ペア状態のエネルギー差をγ線で測定した.これにより、磁気スペクトロメータによる今までの測定を大きく超える精度で測定できた。実験は現在世界で最高のK中間子ビーム強度が得られるBNLで行った。ビームタイムは98年に2ケ月あったが準備と整理に前後1年づつを要した。つい最近結果が得られ、Λハイパー核のスピン軌道力は一般の原子核の30〜40分の1と極端に小さいことを決定した。これはクォーク模型を基礎にした相互作用の予言と一致しており、クォークの自由度が明確に現れた例となった。現在投稿論文を準備中である.(2)ハイパ一核の非中間子崩壊でパリティの破れを明らかにした。更に2体のバリオン間の弱相互作用を解明するために逆反応(pn→pΛ)の測定の準備を行った。弱い相互作用でストレンジネスを生成する実験である。検出器の一部を製作してテスト実験を行い、難しいが実現性が高いことを明らかにした。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] H. Nabetani, Y. Ogaito, T. Sato,T. Kishimoto: "Spin observables in the pn→ pΛ reaction"Phys. Rev. Lett.. C60. 017001 1-017001 4 (1999)
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[Publications] S. Ajimura, M. Ishikawa, K. Ikeda, T. Kishimoto 他: "Asymmetry in Nonmesonic Weak Decay of Polarized ^5_ΛHe Hypernucleus"Phys. Rev. Lett..
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[Publications] T. Kishimoto: "Kaonic nuclei excited by the (K^- ,N)reaction"Phys. Rev. Lett.. 83. 4701 (1999)
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[Publications] H.Bhang,S.Ajimura 他: "Life times Measurement of ^<12>_ΛC, ^<28>_ΛSi, _ΛFe Hypernuclei"Phys. Rev. Lett.. 81. 4321-4324 (1998)
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[Publications] T. Kishimoto,A. Sakaguchi 他: "Study of weak hyperon nucleon interacion by the pn→ pΛ reaction"Proc. of XVth Particles and Nuclei Int. Conference. (1999)
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[Publications] S.Ajimura,H.Bhang,H. Ejiri 他: "Asymmetry in nonmesonic decay of polarized ^5_ΛHe hypernucleus"Proc. of XVth Particles and Nuclei Int. Conference. (1999)
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[Publications] A. Sakaguchi,S.Ajimura 他: "Measurement of spin-orbit splitting in ^<13>_ΛC hypernucleus"Proc. of APCTP Workshop on SNP 99. (1999)
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[Publications] H. Kohri, S. Ajimura 他: "Spin-orbit Splitting of ^<13>_ΛC"Nucl.Phys. A in press. Proc. of the 2nd KEK-Tanashi International Symposium on Hodron and Nuclear Physics with Electomagnetic Probes. (1999)
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[Publications] T.KishimotoT. Motoba: "Nuclear Physics with Strange Flavour"Oxford University Press. (1999)