1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044091
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Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水野 一彦 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10109879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前多 肇 大阪府立大学, 工学部, 助手 (40295720)
杉本 晃 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00081323)
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Keywords | エキシプレックス / シクロプロパン / ビニリデンシクロプロパン / 光異性化反応 / 光転位反応 / 光環化付加反応 / 1,3-ビラジカル / 光定常状態 |
Research Abstract |
1,n-ビラジカルやエキシプレックスを経由する光異性化反応、光転位反応、光環化付加反応の反応解析ならびに中間に生成する活性種の化学的性質ならびに直接観測を目的として、1-ジアリールビニリデンシクロプロパンの光異性化反応や光転位反応ならびに芳香環へのアルケンの光環化付加反応を検討し、以下の知見を得た。 1.cis-およびtrans-ジフェニルビニリデン-2,3-ジメチルシクロプロパンに直接または三重項増感剤の存在下光照射すると、シス-トランス光異性化し、直接光照射では、50:50、三重項増感剤存在下では、30:70の光定常状態を与える。 2.1-ジアリールビニリデン-2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンに直接光照射すると、シクロプロパン環の1,2-位が開環し、メチル基が1個転位した1,1-ジアリール-4,5,5-トリメチル-1,2,3-トリエンを効率よく与える。 3.三重項増感剤の存在下、1-ジアゾールビニリデン-2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンとアクリロニトリルに光照射すると、シクロプロパンの環開裂が起こり、(3+2)環化付加体が生成する。 4.ビレンやクリセンなどの芳香族炭化水素とケイ皮酸メチルやケイ皮ニトリルなどの電子受容性アルケンとの光反応によって、(2+2)光環化付加体が立体特異的に生成する。前者は長時間光照射すると、ピレンとケイ皮酸メチルが1:2で付加した環化付加体が生成する。また、ピレンやフェナントレンとアルケンとを分子内で連結した化合物に光照射すると、効率よく(2+2)光環化付加反応が位置選択的に進行する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A. Sugimoto: "Thermally Unstable 5-(9-Anthrylmethyl)-10-methyl-5,10-dihydrophenazine"J. Chem. Res. (S). 72-73 (1999)
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[Publications] A. Sugimoto: "Successive Electron Transfer Reaction of the Lithium Salt of 5-Methyl-5,10-dihydrophenazine Anion with 4-Nitrophenethyl Bromide via 4-Nitrostyrene"J. Heterocycl. Chem.. 36. 849-856 (1999)
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[Publications] A. Sugimoto: "Hydrobromic Acid - Dimethyl Sulfoxide Reagent for Dealkylation of 5,10- Dialkyl-5,10-dihydrophenazines: Synthesis of 10-Alkyl-2(10H)-phenazinones"J. Heterocycl. Chem.. 36. 1057-1064 (1999)
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[Publications] K. Mizuno: "Advances in Electron Transfer Chemistry VI"JAI Press. 165 (1999)