1999 Fiscal Year Annual Research Report
酵素タンパク質における構造と揺らぎと活性の関係:イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼを例として
Project/Area Number |
10044095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 一般 |
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy & Life Science |
Principal Investigator |
大島 泰郎 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (60167301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信夫 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50032024)
山岸 明彦 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (50158086)
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Keywords | イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ / 可逆変性 / 自由エネルギー変化 / 温度ジャンプ / 変性反応 / ラウエ法 |
Research Abstract |
イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼをモデル酵素として、各種の変異体を作成し、その構造を解析するとともに、活性、揺らぎとの関係を調べた。今年度は特に、熱力学平衡論を用いて熱変性過程を調べた。高度好熱菌Thermus thermophilusの生産する酵素は可逆変性の条件を求めるのが難しかったため、これまででは平衡論の適用ができなかったが、特定の変性剤の存在下には塩酸グアニジンによる変性は可逆であることを見いだし、これを用いて変性反応を解析することができるようになった。その結果、変性が二段階で進行すること、活性は第一段目の変性により失われることなどを明らかにした。また、アメリカ・ブンランダイス大学ペツコ教授の研究室と協力し、変性反応の解析を変異体に拡げている。東京工業大学田中研究室との共同研究から、ラウエ法による温度ジャンプにより変性反応が解析できるよう装置を考案した。この方法を用いて、常温(20度C)から熱変性を起こすに十分な90度Cへ温度をジャンプする実験を行い構造変化を観測すると、熱に余り安定でない好熱菌と常温菌酵素の混成体であるキメラ酵素は、二つのドメイン間を結ぶ領域のループから変性が始まることが明らかになった。キメラ酵素を安定化した変異体は特に第一段目の変性反応の変性温度が上昇しているが、この変異体では同じ条件下の温度ジャンプを行っても、問題の領域のループの局所的な変性は起こってないことが示され、安定化機構を説明することが可能になった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.CHIBA et al.: "Coenzyme Activity of NAD Analogs for 3-Isopropylmalate Dehydrogenase from Thermus thermophilus HB8"Biosci.Biotechnol. Biochem.. 63(9). 1647-1649 (1999)
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[Publications] J.Nathaniel et al.: "of the Isolated Zinc Site in Archaeal Zinc-containing Ferredoxins as Revealed by X-ray Absorption Spectroscopic Analysis and Its Evolutionary Im;lications"J.Biol.Chem. 274(33). 23160-23168 (1999)
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[Publications] A.CHIBA et al.: "Synthetic and Mechanistic Studies of (2R,3S)-3-Vinylmalic Acid as a Mechanism-Based Inhibitor of 3-Isopropylmalate Dehydrogenase"J.Org.Chem. 64(17). 6159-6165 (1999)
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[Publications] S.AKANUMA et al.: "Further Improvement of the Thermal Stability of a Partially Stabilized Bacillus subtilis 3-Isopropylmalate Dehydrogenase Variant by Random and Site-Directed Mutagenesis"