1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子システム設計による絶対微少量金属錯体の高性能細管電気泳動法の構築
Project/Area Number |
10044115
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
四ツ柳 隆夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TIMERBAEV An ロシア科学アカデミー, ベルナドスキー研究所, 主席研究員
SPIVAKOV Bor ロシア科学アカデミー, ベルナドスキー研究所, 教授
SHPIGUN Oleg モスクワ国立大学, 化学部, 教授
壹岐 伸彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50282108)
星野 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20124620)
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Keywords | キャピラリー電気泳動 / 高分子電解質 / 金属錯体 / 分子設計 / ポリアミノカルボン酸 / イオン会合 |
Research Abstract |
本研究の目的は,細胞・組織等の微小領域における絶対微少量測定のニーズに対して細管電気泳動(CE)法の高機能化によって応えようとするものである.本研究では,化学計測システム設計を専門とする日露の研究者が協同し、CEシステムにおける化学システム,″微量金属イオンと結合する配位子とそれによって生成した錯体と相互作用する物質の組み合わせ″をCE流動反応場に持ち込むことによって,それぞれ単独では発揮し得ないであろう超精密分離機能とフェムトモルに達する超高感度性を創出しようとしている. 本年度は、CEシステムの高機能化に関して以下の成果を得ている. (1) 多座検出機能性ポリアミノカルボン酸配位子の設計・合成とCE分離検出機能の調査(Shpigun):金属一N,N′-bis(2-hydroxybenzyl)ethylenediamine-N,N′-diacetate(HBED)錯体アニオンの高度分離をカチオン性高分子電解質添加泳動緩衝溶液を用いて達成した.17種の金属イオンについてそのCEピークを得ることができた.(2) CE分離用水溶性高分子マトリックスの設計とイオン溶液論的検討 (Spivakov/Timerbaev)二種々のイオン性高分子を探索し,そのCEシステムにおけるイオン泳動制御パラメータを詳細に検討した.イオン交換相互作用とマトリックス効果を検討した. (3) 新しいCE分離モード・システムの開発(四ツ柳/星野):イオン会合現象をイオン泳動制御パラメータとするイオン会合CEシステムにおいて,尿素などの疎水的水水和破壊剤の添加による分離能の高度化を着想した.イオン会合現象の溶液化学的基礎となるイオン泳動データと同時に、新たな分離システム構築の萌芽となる結果を得ている. なお,ロシア側からShpigunおよびSpivakov搏士が来日し,また四ツ柳と壺岐が訪露して研究討論と講演を行った.
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[Publications] Ewa Dabek-Zlotorzynska: "Capillary electrophoresis:the state-of-the-art in metal speciation studies" Analytica Chimica Acta. 359. 1-26 (1998)
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[Publications] O.V.Krokhin: "Separation Selectivity of Some EDTA and CDTA Complexes in Column and Electrokinetic Ion Chromatography" Journal of chromatography in press.(1999)