1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044116
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千田 佶 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005499)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 千弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30271878)
浜 承燮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00250720)
榎本 兵治 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005412)
須藤 孝一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90291252)
木下 睦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70261592)
|
Keywords | MEOR / 石油 / 増進回収法 / 吉林油田 / フィールドテスト / ポリマー生産 |
Research Abstract |
微生物を利用する石油の増回収法は微生物により石油を資化させ,生成物を利用するものであり,化学攻法や熱攻法に比べ地球にやさしい方法である。研究代表者を中心とするグループは,以前より微生物攻法に適した条件を満たしている中国吉林油田において微生物増進回収法に関する研究を進め,有用微生物のスクリーニングや貯留層の評価等を行い多くの研究成果を得てきた。本研究では,これまでの研究で明らかになった最適条件に基づいて中国吉林油田の生産中の坑井に栄養塩および微生物を注入し,目的微生物の増殖状態や産油量等を測定することにより微生物攻法の実用性に関して検討を行った。単一坑井法により栄養塩のみを坑井に注入した場合,油層内の先住微生物が活性化され産油量の増加が認められる場合が多かったが,坑井によっては栄養塩がき裂を通じて油層内部に浸透してしまい,効果が生じない事例も見られた。また,各種能力の優れた微生物の培養液と栄養塩を用いて同様の実験を行ったところ,やはり産油量の増加は認められた。注入微生物の菌体数の推移やその活動状況を把握するために,MPN-Direct-PCR法やFISH法などの遺伝子工学的解析法を確立した。さらに,フィールドテストの次のステップであるフラッティング試験のための準備を行った。一方,フィールドテストと並行して,二酸化炭素生産,界面活性剤生産,重質油資化等の能力の優れた微生物の採取とスクリーニングを行い,特にMEORに有効なポリマー生産能力の優れた微生物を分離した。また,油層温度50℃で生育する微生物の採取とその培養方法の検討を行った。以上の結果より,微生物攻法が石油増進回収法として実用化の可能性が高いことが明らかになり,その実用化に向けさらに検討を行っていく。
|
-
[Publications] 菅野 明: "MEOR フィールドテストを想定した TU-7A 株の代謝活性の推定"石油技術の協会誌. Vol.64.No.3. 233-241 (1999)
-
[Publications] Sugai Y.: "Laboratory Investigation of Polymer Producer Tu15-A for MEOR Field Test"1999 SPE Agian Pacific Gas & Oil conference and exihibition Proceedings of APGOCE'99 (CD-ROM). (1999)
-
[Publications] Yang Y.-G.: "Modeling of Growth and Transport of Bacteria in Porous Media"Proceedings of IASTED International Conference Applied Modelling and Simulation (CD-ROM). (1999)
-
[Publications] 楊延国: "多孔質体内における微生物増殖に及ぼすフロック形成の影響"第29回石油・石油化学討論会 講演要旨集. 258-259 (1999)
-
[Publications] 菅井 裕一: "ポリマー生産菌を用いた MEOR フィールドテストのための油層内培養に関する研究"石油技術協会平成11年春季大会講演要旨集. 100 (1999)