1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044133
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
軽部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 聰 東京大学, 先端科学研究センター, 助手 (70262110)
矢野 和義 東京大学, 先端科学研究センター, 助手 (40262109)
池袋 一典 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (70251494)
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Keywords | 超機能バイオセンサー / 環境バイオセンサー / 医療バイオセンサー / マイクロバイオセンサー |
Research Abstract |
本研究では、超機能バイオセンサー開発のための基礎調査を行った。平成11年度は上記のバイオセンサーの開発を行うための調査を、具体的には以下の各種センサーの開発という形で行った。まず、超機能酵素センサーの開発においては、従来の酸素を用いるバイオセンサーの機能を超越するために、人工物を用いることが検討された。すなわち、天然に存在しない人工酵素をバイオセンサーの分子認識素子として用いることが議論され、そのための方法として、モレキユラーインプリンテイング法による人工酵素の合成が有効ではないかとの知見が得られた。現在、同方法を用いるセンシング技術の開発を行っているところであり、実際のセンサー応答については来年以降調査することが重要であるとの結論に達した。次に、発光検知型超機能バイオセンサーの開発においては、ルミノール化学発光などの測定技術を用いて高感度な測定を行う際に、妨害物質をいかにして取り除くかと言うことが議論され、調査された。その結果、あらかじめサンプル中の妨害物質(酸化還元物質など)を取り除いておくような機構が有効であるとの結果が得られた。このことから、超高感度な測定を行う場合には吸着用カラム等の前処理機構を組み合わせることが重要であるとの結論に達し、来年度以降前処理装置との組み合わせを検討すべきであることが示唆された。超機能マイクロバイオセンサーの開発においては、日本側研究者らのグループで作製しているデバイスが相手側(フランス、イタリア)に比べてはるかに先を進んでおり、相手側諸国技術的指導を行うことが検討された。超機能医療バイオセンサーの開発、超機能環境バイオセンサーの開発においては、表面プラズモン共鳴装置による高感度測定の可能性が示唆されたが、実際に汎用の装置を開発する上では同装置は高価すぎ、測定目的に特化したより低価格な装置系の開発が重要であるとの結論に達した。
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