1998 Fiscal Year Annual Research Report
気体流における非並行現象の理論的研究-微視的・巨視的混成気体力学による新しいアプローチ-
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10044151
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曾根 良夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (80025923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VINICIO Boff ローマ大学, 工学部, 教授
CALRO Cercig ミラノ工科大学, 工学部, 教授
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
大和田 拓 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40223987)
青木 一生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115777)
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Keywords | ベナール問題 / 分岐 / 安定性 / テイラー・クエット流 / 蒸発・凝縮 / 衝撃波 / 希薄気体 / ボルツマン方程式 |
Research Abstract |
本年度得られた成果の概要は以下の通りである。 1. 低圧気体の二次元ベナール問題を日伊で分担して二方面から研究した。 (1) 日側は、この問題の総合的な研究を進めている。古典流体力学で知られている、この問題の安定限界とは別種の限界の存在を示し、さらに、古典流体力学においてもこの限界が存在することを示した。また、単一では安定に存在するロール解を並べた多ロール列解の安定性と不安定解の新しいロール列解への遷移の様子を明らかにした。 (2) 伊側は、この問題の安定限界を超えた範囲でカオス的な振舞をする流れの例をモンテ・カルロ法による直接シミュレーションによって示した。 2. 日側は、テーラー・クェット問題を気体論に基づいて数値解析し、低圧気体の円管クェット流の安定限界を明らかにした。とくに、円管の温度差が常に流れを安定化させるという一般の予想に反する結果を得た。 3. 日側は、蒸発・凝縮を伴なう二重円管間のクェット流の分岐の成り立ちを、モンテ・カルロ直接シミュレーション法を用いて初期値問題から検討し、初期値と定常解との関係を明らかにした。さらに、安定性問題を直接シミュレーション法によって解析する場合におこる困難な点を系統的に調べ、同法により解析を進めている伊側にその資料を提供した。 4. 平面凝縮相への弱い凝縮流に対する温度場の影響を気体論に基づいて解析した。さらに、従来の成果を総合して、平面凝縮相への凝縮流についての情報を系統化した。この資料は、別の立場から蒸発・凝縮流について総合的著述を進めている伊側に提供された。 5. 伊側は、多原子分子気体の衝突断面積のモデル、エンスコック方程式に対する直接シミュレーション法、無限に強い衝撃波の構造に関する最近の研究成果を日本側に提供した。衝撃波問題について、日伊共同で検討し、共同研究が始められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshio Sone: "Stability of Benard multi-rolls in a rarefied gas" Rarefied Gas Dynamics(Cepadues,Toulouse,France). (印刷中). (1999)
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[Publications] Yoshio Sone: "Bifurcation in cylindrical Couette flow with evaporation and condensation: Effect of initial condition" Rarefied Gas Dynamics(Cepadues,Toulouse,France). (印刷中). (1999)
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[Publications] Yoshio Sone: "Kinetic theoretical studies of the half-space problem of evaporation and condensation" Transport Theory and Statistical Physics. (印刷中). (1999)