2000 Fiscal Year Annual Research Report

バングラデシュにおける地下水のヒ素汚染機構の解明および安全な水供給システムの開発

Research Project

Project/Area Number	10044168
Research Institution	Miyazaki University
Principal Investigator	横田漠宮崎大学, 工学部, 教授 (90037888)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	田辺公子宮崎大学, 機器分析センター, 講師 (00179805) 秋吉康弘宮崎大学, 農学部, 助教授 (30041031) 瀬崎満弘宮崎大学, 工学部, 助教授 (80136803)
Keywords	ヒ素汚染 / 地下水 / バングラデシュ / ボーリング / 礫間浄化 / ため池水
Research Abstract	今年度の調査研究は、(1)シャムタ村の北部の水田地帯における地下水調査と地質調査と(2)PSF(Pond sand Filter)中の砂利槽の濁水除去メカニズム解明がメインであり、そのためにそれぞれ揚水試験と簡易ボーリング試験および砂利槽の濁水除去の模型実験を行い、次のような成果が得られた。 (1)シャムタ村北部の水田地帯における地下水および地質調査シャムタ村の居住地域における地下水のヒ素濃度分布は、これまでの調査研究により北部で低く、南部で高いことがわかっているが、その理由は不明であった。今回、村の北方に分布する水田地帯での調査の結果、これらの地域ではヒ素を含有する泥層(上部泥質層)が分布せず、地下水中のヒ素濃度も基準値以下であることが分かった。また、居住地域の地下水中のヒ素濃度分布とこの上部泥質層の厚さ分布が調和的であることも認められ、今後の浅層地下水(ヒ素含有地下水帯)を部分的に、危機管理しながら活用する道が開かれた。 (2)PSF砂利槽の濁水除去メカニズム 5mm粒径の砂利槽中を対象として、砂利間隙に粘土粒子などの水中懸濁物質が沈殿・ろ過されるメカニズムを、流入濁度C_1、槽中の流水速度V、槽長Lの関係でみたものである。その結果、槽の流出濃度C_0はV、Lが一定の場合、C_1の大きさに関係なくほぼ一定であることが分かった。例えば、V=1.2m/h、L=90cmのとき、C_1が140度でも50度でもC_0は大体、15度となる。さらに、C_0はVの減少につれて、またLの増大につれてそれぞれ直線的に小さくなってゆくことが分かった。これらの関係を用いて、砂利槽の流出濁度を0度、5度,10度とするようなVとLとの関係が得られており、現在現地で使われているPSFよりももっと小型なものが製作可能であることが判明した。今後のPSFの設計に対してより合理的なデータを与えるものである。

Research Products

(9 results)

All Other

All Publications (9 results)

[Publications] 横田漠: "バングラデシュにおける地下水砒素汚染の機構解明と汚染対策の実践"第8回地球環境シンポジウム講演論文集,土木学会. 51-56 (2000)
[Publications] 横田漠: "バングラデシュにおける地下水砒素汚染の実態とため池水の浄化による飲料水の確保"第7回地球環境シンポジウム講演論文集,土木学会. 165-170 (1999)
[Publications] Hiroshi Yokota: "Arsenic contamination of pond water and water purification system using pond water in Bangladesh"Geoenvironmental Engineering, Ground contamination : pollutant management and remediation. 585-592 (1999)
[Publications] 横田漠: "バングラデシュにおける地下水の砒素汚染調査結果"第2回地盤環境工学シンポジウム講演論文集,地盤工学会. 59-64 (1997)
[Publications] 横田漠: "ガンジスデルタ最大の地下水砒素汚染-シャムタ村における調査結果"地学教育と科学運動,特別号,地学団体研究会. 95-104 (1997)
[Publications] 田辺公子: "ガンジス川下流域における地下水ヒ素汚染-サムタ村における私たちの試み-"Arsenic Letter. No.4. 4-8 (1999)
[Publications] Kimiko Tanabe: "Arsenic Concentration of Ground Water in Samta Village and the Application of a Field Kit by Hironaka to Quantify Arsenic"International conference on arsenic pollution of ground water in Bangladesh : Causes, Effects and Remedies. 129-131 (1998)
[Publications] 秋吉康弘: "バングラデシユの地下水ヒ素汚染に関する調査研究"農業土木学会論文集. 第200号. 79-84 (1999)
[Publications] Mitsuhiro Sezaki: "Arsenic contamination of groundwater and pond in Bangladesh"Proceedings of the 11^<th>Asian regional conference on soil mechanics and geotechnical engineering. 135-136 (1999)

2000 Fiscal Year Annual Research Report

バングラデシュにおける地下水のヒ素汚染機構の解明および安全な水供給システムの開発

Principal Investigator

横田 漠 宮崎大学, 工学部, 教授 (90037888)

Research Products

[Publications] 横田漠: "バングラデシュにおける地下水砒素汚染の機構解明と汚染対策の実践"第8回地球環境シンポジウム講演論文集,土木学会. 51-56 (2000)

[Publications] 横田漠: "バングラデシュにおける地下水砒素汚染の実態とため池水の浄化による飲料水の確保"第7回地球環境シンポジウム講演論文集,土木学会. 165-170 (1999)

[Publications] Hiroshi Yokota: "Arsenic contamination of pond water and water purification system using pond water in Bangladesh"Geoenvironmental Engineering, Ground contamination : pollutant management and remediation. 585-592 (1999)

[Publications] 横田漠: "バングラデシュにおける地下水の砒素汚染調査結果"第2回地盤環境工学シンポジウム講演論文集,地盤工学会. 59-64 (1997)

[Publications] 横田漠: "ガンジスデルタ最大の地下水砒素汚染-シャムタ村における調査結果"地学教育と科学運動,特別号,地学団体研究会. 95-104 (1997)

[Publications] 田辺公子: "ガンジス川下流域における地下水ヒ素汚染-サムタ村における私たちの試み-"Arsenic Letter. No.4. 4-8 (1999)

[Publications] Kimiko Tanabe: "Arsenic Concentration of Ground Water in Samta Village and the Application of a Field Kit by Hironaka to Quantify Arsenic"International conference on arsenic pollution of ground water in Bangladesh : Causes, Effects and Remedies. 129-131 (1998)

[Publications] 秋吉康弘: "バングラデシユの地下水ヒ素汚染に関する調査研究"農業土木学会論文集. 第200号. 79-84 (1999)

[Publications] Mitsuhiro Sezaki: "Arsenic contamination of groundwater and pond in Bangladesh"Proceedings of the 11^<th>Asian regional conference on soil mechanics and geotechnical engineering. 135-136 (1999)

横田漠宮崎大学, 工学部, 教授 (90037888)