Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO James 米国テキサス&M大学, 土木工学科, 教授
ARORA Jaber 米国アイオツ大学, 土木工学科, 教授
FRANPOVOL Da 米国コロラド大学, 土木工学部, 教授
堂垣 正博 北海道学園大学, 工学部, 教授 (60067759)
杉本 博之 北海道学園大学, 工学部, 教授 (70002946)
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Research Abstract |
本年度は,本共同研究の初年度に当たるので,まず,ライフサイクルコストの定義とその概念の社会基盤システムへの適用法について研究を行った.そのために,まず既存構造物の維持管理法について,日本,アメリカ合衆国,両国について実態調査を行った.その結果,両国ともライフサイクルコストの重要性は認識されているものの,実際にライフサクルコストの考え方を明確に取り入れた設計法あるいは維持管理法は確立されていないことが判明した.そこで,本年度の当面の課題として,ライフサイクルコストの考え方の定義の確立,その維持管理法への導入法について研究を行うとともに,ライフサイクルコストを考慮した構造物の設計法と維持管理の枠組みついて検討した.この考え方を基に最適整備法について研究を進め,そのプログラミング化を行い,プロトタイプシステムの開発を行った.具体的には,最適化手法として現在注目を浴びている遺伝的アルゴリズムを用い,C言語を用いて構造物の最適整備プログラムを構築した.その成果は1994年4月に米国ニューオリンズで開催されるアメリカ土木学会Structure Cungressにおいて発表する予定である.本システムを用いれば,既存,新設構造物を問わず,各構造物のライフサイクルにおける最小費用の実現が可能である.もちろん,将来予測が不可欠となるので,構造信頼性理論を援用して不確定性への配慮を行っている.当然のことながら,各構造物の安全性,機能性を保証し,種々の点検法,補強,補修法の選定も行える.従来,このような複雑・大規模なスケジューリング問題を解くことは難しかったが,遺伝的アルゴリズムの導入により,これらの問題点の解決がはかられた.
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