1999 Fiscal Year Annual Research Report
デキストラン合成・分解酵素の構造と機能および応用に関する国際共同研究
Project/Area Number |
10044190
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
千葉 誠哉 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30001449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 春英 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80241363)
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90186312)
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Keywords | デキストラン / デキストラン合成酵素 / デキストラナーゼ |
Research Abstract |
200nm以下の紫外線は高度な真空が要求され(真空紫外線)、微生物変異への利用が困難であった。近年、共同研究者のKim準教授は技術的問題を克服し、デキストラン合成酵素の生産株を変異させ、酵素高発現に成功した。一方、デキストランとその短鎖オリゴ糖は多彩な生理機能を示す。本研究は、デキストラン合成・分解酵素の構造と機能の関係究明ならびに合成・分解酵素を利用したデキストランや短鎖オリゴ糖の生産研究を、最終目的とした国際共同研究であり、本年度は以下の研究成果が得られた。 (1)真空紫外線変異株から高度に発現するデキストラン合成酵素を用いて、デキストランの大量調製に成功した。本多糖の構造解析を行い、分岐構造の存在を明らかにした。酵素的加水分解により直鎖オリゴ糖を調製するため、温和な酸処理を行い、選択的に分岐構造を切断した。イソマルトトリオ・デキストラナーゼを作用させ、直鎖三糖類であるイソマルトトリオースの生産条件を決定した。 (2)デキストランから四糖類の生成酵素を与える菌株の培養条件を改良し、酵素高生産条件を決定した。本条件で培養した菌体から酵素精製を行い、電気泳動的に単一な標品を得た。安定性などの性質を調べ、基質特異性や生成物の解析を行った。精製酵素をデキストランに作用させる際、反応条件を変えると四糖類のみならず五-八糖類も調製でき、より長鎖のオリゴ糖を獲得できることが見い出された。 (3)デキストラン分解酵素に対する新規なmechanism-based inactivatorのデザイン・合成を行い、自殺基質的に酵素を失活させていることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 永坂曜介: "Corticium rolfsiiのグルコアミラーゼに関する研究"応用糖質科学. 46(2). 169-178 (1999)
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[Publications] T. Mizuno: "Molecular cloning of Isomltotrio-dextranase Gene from Brevibacterium fascum var. dextranlycum strain 0407 and lts Expression in E. coli"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 63(9). 1582-1588 (1999)
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[Publications] 千葉誠哉: "グリコシダーゼの分子機構に関する研究"日本農芸化学会誌. 73(10). 1001-1012 (1999)
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[Publications] R. S.-Jin: "Purification and partial characterization of A Novel Glucanhydrolase from Lipomyces starkey, KSM22 and Use for Inbibition of Insoluble Glucum Formation"Biosci. Biotechnol. Biochem. (印刷中). (2000)
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[Publications] 木村淳夫: "ω-Epoxyalkylの-glucoside によるグリコシダーゼの親和標識"応用糖質科学. (印刷中). (2000)
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[Publications] 木村淳夫: "澱粉粒り酵素分解に見い出された生成物の"固定化現象""BRAINテクノニュース. 72(3). 27-29 (1999)