1999 Fiscal Year Annual Research Report
コムギ低温誘導性遺伝子の分子遺伝学的解析と育種的利用
Project/Area Number |
10044207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 千春 神戸大学, 農学部, 教授 (10144601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宅見 薫雄 神戸大学, 農学部, 助手 (50249166)
森 直樹 神戸大学, 農学部, 助教授 (60230075)
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Keywords | 低温誘導性遺伝子 / 低温馴化 / Waox / パンコムギ |
Research Abstract |
本年度は以下の結果を得た。 1.日本側:オオムギの低温・光誘導性クローンcor14、ABA誘導性クローンHva1、穀類特異的低温誘導性クローンpAo86をプローブとして、低温・凍結耐性の冬コムギ品種'Mironovsak808'から低温馴化後に作成したcDNAライブラリーを用いてWcor14、Wcor14-13,Wrab1,2,Wlt10を単離し、構造決定と発現解析をした。Wcor14は、N末に葉緑体輸送シグナルを持つ14kDのペプチトWCOR14をコードする遺伝子で発現は低温特異的であること、転写産物の種類とイントロンの有無と長さから少なくとも4コピーのWcor14ゲノム配列があることを明らかにした。Wcor14に相同なWcor14-13は、WCOR14と13kDのDHNタンパク質の2つをコードする2シストロン性の遺伝子である可能性を示唆する結果を得た。これらについて、大腸菌でタンパク質を発現させた。Wrab1はLEAグループIIIに属する多重遺伝子で低温とともにABA誘導性であること,Wrab2はGA_3によっても発現誘導を受けるdhn遺伝子であること、wlt10は穀類に特異的な低温誘導性遺伝子blt,rltの相同配列であることを明らかにした。シアン耐性鎖酸化酵素遺伝子Waoxについては、RACE PCRで全構造を決定し、プロモーターを含むゲノム配列を得る目的で'Mironovska 808'のゲノムライブラリーを作成した。'Mironovska 808'x CSの交配から、今春F_5種子を得る予定である。次年度の研究計画を討議するため、研究代表者がブルガリアを訪問した(12年3月)。 2.ブルガリア側:ブルガリア側から1名が来日し(11年10月-12年3月)、神戸大学でコムギ低温誘導性遺伝子Wcor14,Wcor14-13を組み込んだ形質転換用プラズミドを構築し、ボンバードメント法でオオムギ種子由来カルスに導入した。
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[Publications] S.Tsvetanov: "Cloning and characterization of several members of a cold-responsive gene family,Wcor,and an alternative oxidase gene,Waox,in wheat"Proc.9th Int.Wheat Genet.Symp.Saskatoon,Canada.. vol.1. 225-228 (1999)
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[Publications] S.Tsvetanov: "A cold-responsive wheat(Triticum aestivum L.) gene wcor14 identified in a winter-hardy cultivar 'Mironovska 808'"Genes & Genetic Systems. 75(in press). (2000)