1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷部位でのバイパスDNA合成による突然変異の発生機構
Project/Area Number |
10044208
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
真木 寿治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究所, 教授 (20199649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 峰秋 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究所, 教務職員 (40304167)
梅津 桂子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究所, 助手 (20223612)
松本 吉博 Fox Chase Cancer Center, Associate
FUCHS Robert CNRS, URR9003, Director
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Keywords | DNAポリメラーゼ / 発がん物質 / 変異原 / DNA複製 / DNA修復 / 誤りがち修復 / SOS応答 / SOS修復 |
Research Abstract |
本研究計画での主要な問題点は生物に普遍的に存在するDNA損傷部位でのバイパスDNA合成による突然変異の発生機構について、その過程に関与するDNAポリメラーゼ等のタンパク質性因子の役割を明らかにし、バイパスDNA合成に起因する突然変異の制御の仕組みを解明することである。本年度は以下の2つの項目について研究を実施し、新たな知見を得た。 1. 試験管内DNA合成系を用いた誘発変異解析法の確立:大腸菌のDNA複製酵素を用いた試験管内DNA合成系を確立し、化学変異原AAFによる損傷DNAを鋳型にした場合の誘発変異の発生を検討した。また、損傷部位でのDNA鎖伸長停止の状況およびバイパスDNA合成の程度についても解析を行った。その結果、AFFはDNA鎖伸長を極めて強く阻害し、そのままでは誘発変異に結びつかないことが見出された。この実験系にバイパスDNA合成を可能にするタンパク質性因子を加える必要性が明らかにされた。 2. バイパスDNA合成に関連する諸因子の同定と精製:大腸菌の系ではrecAおよびumuCD遺伝子産物がバイパスDNA合成に関与することが遺伝学的解析から示唆されているので、それらの精製を進めた。また、大腸菌の粗抽出液中にはバイパスDNA合成を促進する因子が存在することが見出されたので、その活性を指標に精製を進めている。高等真核生物でのバイパスDNA合成を検討するために、アフリカツメガエル卵母細胞抽出液中でのバイパスDNA合成活性を検討したところ、そのような活性が存在することが見出された。
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Research Products
(1 results)