1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044215
|
Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
|
Section | Joint Research . |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
熊倉 鴻之助 上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 美佳 上智大学, 理工学部, 助手 (40201941)
笹川 展幸 上智大学, 理工学部, 助教授 (20187107)
持田 澄子 東京医科大学, 助教授 (30096341)
小埼 俊司 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (10109895)
高橋 正身 三菱化学生命科学研究所, プロジェクトセンター, プロジェクトセンター
|
Keywords | 伝達物質放出 / クロマフィン細胞 / シナプトタグミン / イノシトールポリリン酸 / Cキナーゼ / F.アクチン / RACK1 / SNARE蛋白質 |
Research Abstract |
本研究は、伝達物質放出の機構について、分泌小胞を開口部位に供給し係留する機構、ならびにCaシグナルに応答して直ちに小胞と形質膜の融合をもたらす機構を分子レベルで明らかにすることが目的である。 本年度は、以下のように成果を得た。 1. 最近我々が仮説を提唱したシナプトタグミンとイノシトールポリリン酸による抑制的クランプ調節の検証を進めた結果、高透過性クロマフィン細胞ではCa刺激によってイノシトールポリリン酸が細胞質に遊離してくることが明らかとなり、それがシナプトタグミンC2ドメインに由来することが示唆された。また、In vitro実験系により、副腎髄質から調製した分泌顆粒の凝集に対してイノシトールポリリン酸が顕著な抑制を示すことを明らかにした。この抑制は、イノシトールポリリン酸がによるクランプ機構のモデル系となりうるので、現在その特異性についてさらに実験を進めている。 2. 我々はこれまでに、形質膜直下のF-アクチンならびにこれを介したアクチン-ミオシン相互作用が、開口可能な分泌顆粒の持続的供給に重要であると示唆してきた。分泌顆粒の持続的供給について解析を進めた結果、Cキナーゼの活性化はこの過程を増強させることによって開口分泌機能を亢進させており、その一部にはGAP43のリン酸化が関わる可能性が明らかとなった。この調節に関わるCキナーゼの分子種とその機構を解析するために、Cキナーゼの受容体蛋白質の細胞内局在を免疫組織化学的に解析した結果、クロマフィン細胞ではCキナーゼまたはC2領域を持つ蛋白質分子が、RACK1を介してF-アクチンに結合する可能性が示唆された。この点と調節機構との関連について、解析を継続している。 3. SNARE蛋白質の開口分泌における役割について、有芯顆粒の開口と、シナプス小胞の開口それぞれにおける役割の相違について解析を進めている。
|
-
[Publications] Hiroaki Misonou: "Protein Kinase C controls the priming step of regulated exocytosis in adronal chromaffin cells." Celluler and Molecular Neurobiology. 18(4). 379-390 (1998)
-
[Publications] 今泉 美佳: "イノシトールポリリン酸の役割;開口分泌における調節作用" 蛋白質・核酸・酵素. 43(12). 1789-1793 (1998)
-
[Publications] Kounosuke Kumakura: "Inhibitory clamps of regulated exocytosis and role of Ca^<2+>;clamp by synaptotagmin and inositol polyphosphates." The Adrenal Chromaffin Cell(eds.T.Kanno,Y.Nakazato,K.Kumakura). 199-211 (1998)
-
[Publications] Kounosuke Kumakura: "Roles of synapto tagmin and inositol pholyphosphatea in the mechanism of exocytosis;The Clamp Hypothesis." Keio University Symposia for Life Science and Medicine,Vol.2 Neural Development. 450-455 (1999)