2000 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳関連分子種の一次構造解析に基づく微胞子虫類の系統進化学的位置づけ
Project/Area Number |
10044219
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
橋本 哲男 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 助教授 (50208451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 明 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80025387)
長谷川 政美 統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (60011657)
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Keywords | 微胞子虫 / ミトコンドリア / ミトコンドリア型HSP70 / 真核生物の系統進化 / 翻訳関連分子種 / 分子系統樹 / リボソーム蛋白質 |
Research Abstract |
微胞子虫類はミトコンドリアをもたない単細胞の真核生物であり、広範な動物種を宿主とする細胞内寄生性の原虫である。本研究では、微胞子虫類の翻訳関連分子種の一次構造データに基づく分子進化学的な解析から、微胞子虫類の真核生物内部での系統的位置および微胞子虫類内部の系統関係を明らかにすることを目的とした。 昨年度と同様に、Glugea plecoglossi(アユ寄生虫)のサンプル採取および核酸抽出、Encephalitozoon cuniculiおよびE.hellemの継代、培養、核酸抽出を行なった。これらの核酸サンプルをもとに、昨年度に引き続き、G.plecoglossiについて、さらに新たにミトコンドリアをもたない別の原虫であるGiardia intestinalisおよびEntamoeba histolyticaについて、ミトコンドリア型70kDa熱ショック蛋白質(HSP70)の遺伝子解析を行った。 これらのデータを含め、さまざまな分子種による分子系統樹を推定し、それらの結果を総合評価した結果、微胞子虫類が進化の過程でミトコンドリアを2次的に喪失したものであること、微胞子虫類は従来示唆されていたように真核生物の初期に分岐した分類群ではなく菌類と近縁であること、などの可能性の高いことが明らかとなった。 さらに、微胞子虫類のリボソーム蛋白種を分析するための準備段階として、ミトコンドリアをもたない別の原虫であるTrichomonas vaginalis,Mastigamoeba balamuthiについて、リボソームの蛋白解析を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shirakura,T., et al.: "Characterization of the ribosomal proteins of the amitochondriate protist, Giardia lamblia"Mol.Biochem.Parasitol. Vol.112. 153-156 (2001)
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[Publications] 橋本哲男: "原虫類の進化-微胞子虫とマラリア原虫の系統的位置-"生物の科学 遺伝. Vol.55 No.2. 30-35 (2001)