1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044241
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛島 廣治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10091068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 治 国立公衆衛生院, 衛生微生物学部, 室長(研究職) (40270631)
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Keywords | 下痢症ウイルス / 分子疫学 / 国際 / ロタウイルス / カリシウイルス / アデノウイルス |
Research Abstract |
ウイルス性下痢症で死亡する乳幼児が開発途上国では大きな問題となっている。早期診断と治療が重要である。また新しいタイプの流行を調べることは、新興・再興感染症が問題になっている現在重要である。幾つかの新しい事を行った。(1)韓国からSeo教授下のSim先生を招聘し、韓国で検査し得ていない材料について、特にカリシウイルスについて、検査を行った。その結果ロタウイルスでは4型が多いこと(日本ではほとんど1型)と、アストロウイルスはないもカリシウイルス2属が見られた。わが国と同様にロタウイルスの流行のピークが2・3月になっていた。(2)タイのSupawadee講師の上司Maneekarn教授を招聘し、今まの共同研究の結果を報告するとともに今後の計画を話した。また結果を論文とした。ロタウイルスは9型が多かった。(3)中国のFang教授から、北京で流行したアストロウイルスを頂き、遺伝子解析行い5型であった。ロタウイルスは12-2月にかけて流行していた。(4)抗ロタウイルス薬の開発についてドイツのミューラー博士と共同研究をおこなった。新しく硫酸化コロミンを見出した。(5)ホーチミン市および雲南省において下痢症の調査を始めた。糞便検体を我々が開発したラテックス試薬で迅速診断をするとともに、検体を保存してもらい日本での分子疫学調査を行うこととした。(6)シンガポールにおける下痢症ウイルス研究打ち合わせを当地で行った。(7)下痢症ウイルスの流行および伝播様式、すなわち何故冬に流行するか、また食品および水道系・下水系からの感染様式の記録とともに、臨床患者の記録をも臨床疫学調査とともにおこなった。以上のことから、わが国と韓国の流行のピークは似ているものの、北京とは1-2ヵ月離れていること。タイでは夏場にもロタウイルスが見られることがわかった。ロタウイルスの血清型が国によってあるいは地域において異なることがわかった。9型が多くなって来ていた。カリシウイルスの流行もみられ、今後とも国際的に研究しわが国との比較が必要とわかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Zhao-Yin Fang: "Rotavirus infection in association with acute gastroenteritis among children in two sentinel hospitals, China"Pediatrics International. 42(8). (in press) (2000)
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[Publications] Maneekam N.Ushijima H: "Epidemiology of rotavirus infection in Thailand"Pediatrics International. 42(8). (in press) (2000)
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[Publications] Seo JK: "Rotavirus infection in Korea"Pediatrics International. 42(8). (in press) (2000)
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[Publications] Gu Yanhong, Ushijima H: "Development of antirotavirus agents in Asia"Pediatrics International. 42(8) (in press). (2000)
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[Publications] Hachiya M,Ushijima H: "Genetic variation in the capsid region of human astrovirus in Japan"Microbiol Immunol. 43(11). 1067-1070 (1999)
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[Publications] Sakamoto T.Ushijima H: "Molecular epidemiology of astrovirus in Japan from 1995 to 1998 by RT-PCR"J.Med.Virol. (in press). (2000)
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[Publications] 牛島廣治: "内科学II アデノウイルス (分担)"文化堂 黒川潔編集. 1 (1999)
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[Publications] 牛島廣治: "内科学II エンデロウイルス (分担)"文化堂. 1 (1999)