2000 Fiscal Year Annual Research Report
放射線高感受性遺伝病ナイミーヘン染色体不安症候群の遺伝子解析と診断応用
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10044295
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田内 広 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (70216597)
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (90274133)
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Keywords | NBS / AT / NBS1 / ATM / 電離放射線 / dsb / 家系分析 / AT-Fresno |
Research Abstract |
最終年度であるのでナイミーヘン染色体不安定症候群の遺伝子解析ならびに類似疾患の遺伝子単離・機能解析について総合的検討を行い、その結果を現地患者への臨床応用にて検証した。 ナイミーヘン染色体不安定症候群類似疾患(AT-Fresnoなど) 1)患者家系のEVウィルス樹立細胞を用いて、CEPHの遺伝的マーカーと原因遺伝子との連鎖をコンピュータープログラムLIPEDなどによるロッド得点を計算する。マルチポイントロッドの図と候補領域の遺伝的マーカをCEPHの標準家系ならびに放射線ハイブリットパネルから校正した遺伝子地図を用いて、候補領域を数cM以内に限定する。該当部位のSTS遺伝的マーカーからCEPHのYACならびにBACスクリーニング後、それぞれの樹立細胞株の機能的相補性に基づいて原因遺伝子の存在するYACおよびBACを確認した。 2)ナイミーヘン染色体不安定症候群と同様に、cDNAスクリーニング、ノーザン法による患者細胞での発現、遺伝子導入による放射線感受性回復から原因遺伝子を確定する。さらに抗体の作製やジーンターゲッティングによるノックアウトマウスなどからその生体内での遺伝子機能を解析した。 ナイミーヘン染色体不安定症候群 3)本研究では毛細血管拡張性運動失調症の発症機構に関与する複数の遺伝子クローニングが予想されることから、ゲルソフト法によるこれら遺伝子産物の生体内協調作用、ならびに遺伝子導入後の放射線感受性や染色体不安定性、免疫組換え能などの個々のアッセイによりそれぞれの発現経路における役割を明確にする。これに基づいてナイミーヘン染色体不安定症候群ならびに毛細血管拡張性運動失調症の放射線感受性モデルを構築した。 4)当該原因遺伝子の近接マーカーを利用した第2子以降の出生前診断を行う。胎児からの羊水細胞や絨毛DNAのハプロイド分析により、両親の原因遺伝子の存在するハプロイドを胎児が受け継いでいるか否かにより判定する。同様に、クローニング遺伝子からの抗体法やSSCP法により両親の変異遺伝子を受け継いでいるかどうかにより罹患患者および健常者、ハプロイド保因者を判定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Tauchi, et.al.: "The FHA domain of NBS1 is essential for nuclear foci formation after irradiation, but not essential for hRAD50/hMRE11/NBS1 complex DNA repair activity."J.Biol.Chem.. 276. 12-15 (2001)
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[Publications] J.P.Winter, et.al.: "Isolation of a cDNA representing the Fanconi anemia complementation group E gene."Am.J.Hum.Genet.. 67. 1306-1308 (2000)
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[Publications] S.Matsuura, et.al.: "Chromosomal instability syndrome of total premature chromatid separation with mosaic variegated aneuploidy is defective in mitotic-spindle checkpoint."Am.J.Hum.Genet.. 67. 483-486 (2000)
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[Publications] H.Tauchi, et.al.: "Mutation spectrum of MSH3-deficient cells HHUA/chr.2 refrects in vivo activity of the MSH3 gene product in mismatch repair."Mutat.Res. 447. 155-164 (2000)
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[Publications] S.Hama, et.al.: "Absence of mutation in the NBS1 gene inn B-cell malignant lymphoma patients."Anticancer Res.. 20. 1897-1900 (2000)
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[Publications] T.Ohnishi, et.al.: "Heat-induced accumulation of p53 and hsp72 is suppressed in lung fibroblasts from SCID mouse."Int.J.Radiat.Biol.. 76. 711-715 (2000)