1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経誘導におけるアクチビン-フォリスタチン系の役割
Project/Area Number |
10044298
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Research Institution | University of Tokushima |
Principal Investigator |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕範 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (60304557)
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
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Keywords | アクチビン / アクチビン受容体 / PDZドメイン / WWドメイン / Smad / 神経シナプス / フォリスタチン |
Research Abstract |
初期発生における神経誘導でのアクチビン・フォリスタチン系の役割を明らかにするために、昨年度に引き続き細胞の内外におけるアクチビンの情報伝達系の制御機構を検討した。 (1)昨年、我々はアクチビンII型受容体の細胞内領域と結合する新規分子群ARIP(Activin Receptor Interacting Protein)を見いだした。その中の一つARIP1は脳に高い発現が認められ、5個のPDZドメインと2個のWWドメインを有しており、5個のPDZドメインの中で最もC末側に位置するドメインを介してアクチビン受容体と結合する。本年度はWWドメインの機能解析を行い、WWドメインとアクチビン情報伝達分子であるSmad3が強く結合することを見いだした。また、マウス海馬由来細胞HT22にARIP1を過剰発現させると、Smad3によって増強されるアクチビンのリスポンスが顕著に抑制された。さらに、ラット海馬細胞の初代培養系で、ARIP1はアクチビンII型受容体、Smad3及びシナプトタグミン(神経シナプス指標蛋白質)と共沈したことから、アクチビン受容体とSmadがARIP1を介して神経シナプスにおいて複合体を形成して存在することを示している。これらの結果から、神経ネットワーク形成にアクチビンとその情報伝達系が深く関わっていることが考えられた。 (2)アクチビン結合蛋白質フォリスタチンと構造的に類似した蛋白質が発見されその機能が注目されている。最近、我々はフォリスタチンドメイン(増強因子結合モチーフ)を2個しか持たない新規フォリスタチン様分子FSLP(Follistatin-like protein)を見いだした。FSLPは胎盤、副腎、肺、心血管系、精巣、卵巣などに広く分布していた。FSLPはC末側のフォリスタチンドメインを介してアクチビンと結合していることが分かった。他のTGF-βファミリーの因子には殆ど結合しなかった。 さらに、1個のフォリスタチンドメインを持つTSC-36遺伝子産物(FRP)が肺癌細胞の増殖を抑制すること及びマウス胎児における発現パターンがフォリスタチンのそれとはよく類似していることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okabayashi,K.et al.: "cDNA Cloning and Distribution of the Xenopus Follistatin-Related Protein."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 254. 42-48 (1999)
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[Publications] Ishisaki,A.et al.: "Differential Inhibition of Smad6 and Smad7 on Bone Morphogenetic Protein-and Activin-mediated Growth Arrest and Apoptosis in B Cells."J.Biol.Chem.. 274. 13637-13642 (1999)
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[Publications] Miyamoto,S.et al.: "Effects of activin on hormone secretion by signal female rat pituitary cells: analysis by cell immunoblot assay."J.Endocrinol.. 161. 375-382 (1999)
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[Publications] Shoji,H.et al.: "Identification and characterization of a PDZ protein that interacts with activin type II receptors."J.Biol.Chem.. 275(8). 5485-5492 (2000)
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[Publications] Sumitomo,K.et al.: "Expression of TGF-β inducible gene,TSC-36,causes growth inhibition in human lung cancer cell lines."Cancer letters. (in press). (2000)
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[Publications] Sugino,H.et al.: "Skeletal Growth Factors (Canalis,E.ed) Chapter I Activin and follistatin"Lippincott Williams & Willkins,Philadelphia.(in press). (2000)