1998 Fiscal Year Annual Research Report
がん免疫療法としてのCTL療法の開発と適応に関する研究
Project/Area Number |
10044300
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
藤本 重義 高知医科大学, 医学部, 教授 (00009151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ジュストリシィ ロザリオ カタニア大学, 医学部, 教授
マルチェリーノ ルチオ・ ローマ大学, 医学部, 教授
沈 淵 高知医科大学, 医学部, 助手 (50294830)
濱里 真二 高知医科大学, 医学部, 助手 (60228533)
高田 優 高知医科大学, 医学部, 講師 (80136374)
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Keywords | 癌に対する免疫療法 / CTL療法 |
Research Abstract |
平成10年10月18日より11月2日まで、研究代表者である藤本重義と研究協力者である沈淵が国際学術研究分担者であるローマ大学ラ・サピエンザの腫瘍外科学教授のマルチェリーノ博士と情報交換し、われわれが現在開発中の癌に対する特異的受動免疫療法としてのCTl療法について新しい研究成果を報告した。それは、マウスのシステムで、担癌生体に現在担っている腫瘍に対する特異的CD4^+T細胞の中に、担癌状態でもCTLを活性化するヘルパーT細胞が存在することを明らかにしたことである。この事実は、今後現在ヒトの癌治療として行っているCTL療法にも応用可能である。また先方のCTL療法へ向けての進捗状況の報告を受けた。関連病院でCTL療法実施病院であるローマ郊外のVelletri市にあるClinic Madonna delle Grazie病院では、まだ実際の患者への治療までいくまでの問題を多く抱えている。その問題点は、患者の癌細胞をinvitroで効率よく増殖するまでに至らないこと。この問題は、依然として解決していないことである。そこで、彼等は、若い研究者をもう少し長期にわれわれの研究室に滞在させて細胞培養の技術を習得させて欲しいとの要望があった。ローマ滞在の期間に10月24-28日までフランス・ニースで癌の予知と治療に関する国際シンポジウム(Inter national Symposiumon“Predictive Oncol ogy and Ther apy")が開催され主催者側からわれわれの研究成果を発表するように要請があり発表を行った。さらにローマ滞在中にサンマリーノ共和国の国立病院の院長Dr.Giancar loGhironziに紹介され、サンマリーノ共和国でもCTL療法の実施を希望している旨の話し合いがもたれた。平成11年2月13日より2月16日まで先方よりProf.MarcellinoとDr.G.Ghir onziおよびイタリア国フェラーラ州の私立病院より内科医Dr.Nonni(現ローマ大学非常勤講師)が来日した。この目的は、われわれが例年東京で開催する癌特異的免疫療法研究会に出席することと、その後高知医科大学免疫学教室の実験室およびCTL療法を行っている施設の視察と、今後の共同研究の継続と拡大について話し合うことであった。今後、共同研究をさらに発展させる必要がある。
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