1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044313
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Research Institution | NAGOYA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (60117794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (70275147)
村木 克彦 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (20254310)
渡辺 稔 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50012638)
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Keywords | イオンチャネル / BKチャネル / Caチャネル / リアノジン受容体 / 負帰還機構 / 平滑筋 / Clチャネル / Caスパーク |
Research Abstract |
ラット大動脈・大腿動脈など数種の興奮性の低い動脈平滑筋細胞における各種イオンチャネルの種類と分布を興奮性の高い膀胱・輸精管等と比較検討した。大コンダクタンスCa依存性K(BK)チャネルとL型Caチャネルα(あるいはα1)及びβサブユニットのmRNA発現レベルを比較するとともに、単一細胞での電流密度を比較した。その結果Caチャネル電流密度とmRNA発現量は膜興奮性と直接的に関連しているものの、BKチャネルの密度とmRNA発現量はどの平滑筋でも同じ程度に高いことが明かとなった。細胞内Ca濃度が上昇した時にBKチャネル活性が上昇し、過分極を生じることにより、L型Caチャネルを介した流入が減少するという負帰還機構を考えるならば、低興奮性滑筋では負帰還による安全域が大きいと考えられる。リアノジン受容体Ca遊離チャネルの血管平滑筋における機能を検討するため、その抑制薬であるルテニウムレッドを使用したところ、スキンドファイバーにおいて収縮反応の顕著な亢進が観察された。この作用は収縮蛋白系のCa感受性増大によること、その作用機序はミオシン脱リン酸化酵素の阻害によること、などを明らかにした。ウサギ心房筋細胞では横行小管の発達が心室筋などと比べ極めて悪い。従って興奮収縮連関が生じる時に筋小胞体からのCa遊離は細胞膜近傍だけで生じる。リアノジン受容体を介した筋小胞体からの自発的Ca遊離であるスパークはCaによるCa遊離の最小単位であるばかりでなく、近傍細胞膜上のCa依存性Clチャネルを活性化する単位でもあることを明らかにした。Ca依存性Clチャネルの活性化は正常状態において活動電位の早期再分極相を形成する。Ca過負荷状態の細胞ではCaスパークの伝播によるCaウエーブによりCa依存性Clチャネル電流は不整脈のトリガードアクティビティーとなる一過性内向き電流を発生させると推察される。
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Research Products
(1 results)