1998 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア太平洋地域における近年の異常水文現象の実態把握と実効対策に関する研究
Project/Area Number |
10044342
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Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
竹内 邦良 山梨大学, 工学部, 教授 (50016672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 文雄 香川大学, 工学部, 教授 (90220706)
砂田 憲吾 山梨大学, 工学部, 教授 (20020480)
虫明 功臣 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
菅 和利 芝浦工業大学, 教授 (70052884)
寳 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
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Keywords | 東南アジア太平洋 / ENSO / 洪水 / 洪水 / 異常気象 / 災害対策 / AP-FRIEND / IHP |
Research Abstract |
1990年代の東南アジア太平洋地域での洪水渇水の実態を調査し、対策の検討を行った。以下に、見出された結果の一部を示す。 ・1990年代には、洪水学習の湿潤多雨地帯のみならず、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、朝鮮半島など、全世界に及び、特に、チェニジア、イラン、エジプト、イェーメンなど、乾燥地帯にまで、及んでいる。世界の洪水渇水頻度は、近年増加傾向にある。 ・1991-94年、97-98年のE1 Nionは、東南アジア太平洋地域、特に20度以南の低緯度帯に、主として渇水による、大きな影響を及ぼした。特に97E1 Nionの影響は顕著であった。 ・ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ビルマ、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドの国々では、降雨量、河川流量が、ENSOと直接的な関係を示しており、一方中国、韓国、北朝鮮、日本では、その影響は間接的である。このため、ベトナム以南の国々では、ENSOへの関心が特に高く、SOIやSSTから、気象現象や降雨量を予測する可能性に、強く注目している。 ・1998年中国の大洪水は、集中的で多量な降雨、洞庭湖など流域内の遊水機能の低下、築堤の延長と破堤箇所の減少、河道通水能の現象、森林面積の減少などの原因が挙げられる。 ・インドネシアの渇水による、森林災害は、渇水の度合いのみならず、人的な森林経営の影響が大きい。 ・人的被害の大きさは、国家経済の水準の低さに比例している。災害の被害は、最貧国において、いよいよ悲惨である。一方経済的被害は、治水事業が進展しても、必ずしも減少させる事は出来ない。
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