2000 Fiscal Year Annual Research Report
遊牧地域(モンゴル国)における市場化に適応した農業・牧畜業振興のための基礎条件
Project/Area Number |
10045018
|
Research Institution | Tokyou University of Agriculture |
Principal Investigator |
臼井 晋 東京農業大学, 地球資源環境研究センター, 学術研究員 (80018093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤島 廣二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70287449)
白石 正彦 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (30078159)
新井 肇 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (20167985)
美甘 勉 東京農業大学, 生物産業学部, 講師 (40277249)
長沢 真史 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (20217988)
|
Keywords | モンゴル国 / 市場経済化 / 遊牧農業 / 協同組合 / 家畜 / 畑作 / 食品企業 |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたり、現地(モンゴル)の補足調査と資料収集、および研究のとりまとめについて検討を行った。あらたに加えらるべき知見の概要は以下の通りである。 1.遊牧農業の実態と市場対応について 遠隔地では畜産物の販売市場が乏しいために、市場化に応じて商人への依存度が高く、旧ネグデルに替わる自主的な共同販売組織が求められているが、その動きは緩慢である。一方、大都市の人口増加に対応した近郊では、旧国営農場の遺産を受け継いだ民営農場と並んで中小の家族経営が育っている。これらの担い手の成長のためには、潅漑条件と技術力とが決め手となっている。 2.協同組合の組織化について 農牧業協同組合の連合会は次第に組織化され、事業の分野が広がってきた。しかし、金融事業の不備が農・牧民の地位向上にとっての大きな弱点になっている。 3.アグリビジネスについて 大都市の食料消費は量の増大、種類の多様化、品質の高度化が進んでいるが、これに対応した生産、加工、流通の体制が追いつかず、いきおい、輸入依存度が増加している。 4.自然災害への対応について 2000年は、まれにみるソド(雪害)に見舞われ、おびただしい家畜が死亡した。民営化以後は、冬季に備えた飼料の備蓄、畜舎の整備がおろそかになり、保険制度も不備であるため、被害、損害が増加している。これの政策的改善が急務である。
|
Research Products
(1 results)