2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10045030
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 信夫 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30087100)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 肇 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30244411)
城丸 春夫 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70196632)
奥野 和彦 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70087005)
|
Keywords | 多価イオン / 原子・分子 / 分子構造決定 / 高励起状態 / 発光スペクトルの偏光度 / 電荷移行反応 / 断面積 / 低エネルギー |
Research Abstract |
本研究は(1)多価イオンと分子の衝突による多電子移行反応の研究と生成分子多価イオンのクーロン爆発を応用した分子構造の直接決定法の開発(2)多価イオンと原子・分子の電荷移行反応によって生成した高励起状態からの発行スペクトルおよび偏光度の測定(3)イオンビームガイド法を用いた多価イオンと原子・分子の衝突における電荷移行反応断面積の測定を目的としてカンザス州立大学との共同研究として行われた。 研究(1)に必要な解離フラグメントイオンの運動量ベクトルを決定するための検出システムを開発するために、研究協力者である大学院生の北村友和をカンザス大学に派遣して測定装置を建設した。 研究(2)では、昨年度から本学において開始したN^<5+>イオンとHe,H_2との衝突実験を終了し、新たにC^<4+>イオンを用いた実験を行った。カンザス州立大学のDePaolaが本学を訪問し、これらの実験に参加するとともに、測定結果の検討を行った。。また、田沼はキャンザス州立大学を訪問して研究成果の検討を行い、論文としてまとめた。 研究(3)では、昨年度奥野がオクタポール・ビームガイドをカンザス州立大学のビームラインに設置したが、その調整と断面積測定に参加するために協力者の金安達夫を派遣した。その結果、Si^<q+>(q=2,3,4)+Heの低エネルギー領域における断面積測定に成功した。この衝突系は、彗星と太陽風との相互作用に関連する素過程として注目されており、実験結果を量子論による理論計算と比較を行い、論文としてまとめた。 今年度は、本研究の最終年度であったが、研究はほぼ順調に推移し、研究成果が出始めた。今後とも研究協力を継続し、さらなる発展を図りたいと考えている。
|
-
[Publications] M.P.Stockli et al.: "Effects of indirect ionization on the charge state distribution observed with highly charged ion sources"Review of Scientific Instruments. 71・2. 1052-1055 (2000)
-
[Publications] M.P.Stockli et al.: "New improvements on the Kansas State University cryogenic eleotron heam ion source"Rev.Sci.Instr.. 71・2. 902-905 (2000)
-
[Publications] H.Tanuma et al.: "Polarization spectroscopy of O^<5+>(10^23p) states produced in the collisions of O^<6+> with He and H_2"J.Phys.B : At.Mol.Opt.Phys.. 33. 5091-5098 (2000)