Research Abstract |
本年度は研究の初年度であり,熊本大学のレーザ・プラズマプロセスによる先端材料薄膜およびヘテロ構造作製技術とノースカロライナ州立大学のデバイス化・評価技術を密に連携するために,両大学研究者が相互に訪問し,研究討議,実験設備の規模・性能について実地に調査研究した。レーザアブレーションプロセスにより,強誘電体(PZT[Pb-ZZr-Ti-O],PLZT[Pb-La-Zr-Ti-O]),ダイヤモンド膜[DLC]など,Au/PZT/YBCO/MgO の超伝導へテロ接合を作製した。高品質な構造を与えるプロセス最適条件を明らかにし,この薄膜や構造の経時変化やスイッチング劣化特性について解明し,劣化抑制の薄膜特性制御法を調べた。PZT強誘電体は,残留分極 32μ/cm2,抵電界45kV/cmの劣化の少ない高品質薄膜が得られ,不揮発性メモリー実用に近づいた。また,このPZT薄膜は10kV/cm 程度の電界センサーにも利用できる。DLC や CNx膜の作製では,低温で可視透明度の向上を図ることができ,さらに,基板と密着性をよくするために CNz/DLC を作製し,FTIR による評価を行い,傾斜機能膜の有効性を明らかにした。プラズマイオンインプラーテンション法を併用した YAG レーザアブレーション装置を開発し,TiN 薄膜の N 取りこみ量を増やし,高品位の膜を生成できた。レーザアブレーションの固体一光相互作用や光蒸発機構の理論解析,レーザ生成プラズマの特性を分光計測,質量分析により解析した。,蛯原,池上がノースカロライナ州立大学へ訪問,Narayan 教授は熊本大学でレーザアブレーション法によるスマート材料作製を行い,また,地域の研究者と交流した。研究成果は,電気学会論文誌,ICCE-5 国際会議,MRS 秋の大会,超伝導国際会議,各種国内会議で公表した。現在までの当研究室の活動が評価され,多機能材料評価装置などの概算要求が認めれた。
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