1998 Fiscal Year Annual Research Report
高密度都市空間における景観誘導と景観阻害要因の発生メカニズム
Project/Area Number |
10045047
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | University-to-University Cooperative Research |
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐藤 誠治 大分大学, 工学部, 教授 (70113412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安 海壱 西京大学校産業工学科, 助教授
金 俊榮 西京大学校都市工学科, 教授
小林 祐司 大分大学, 工学部, 助手 (20305030)
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Keywords | 都市景観 / 都市空間 / 高密度都市空間 / 景観阻害 / 景観誘導 / 景観構成要素 / 都市計画制度 |
Research Abstract |
本年産は景観形成状況を把握するために、ソウル市内において 用途地域及び土地利用の現状から地点抽出マトリックスを作成し、都市景観形成においてサンプル景観となりうる景観場の抽出を行い、実地調査(撮影)を行った。撮影された大量の景観写真(48 地域 84 地点、731 枚)を提示し、両国研究者によるワークショップを実施し、景観の特性、景観形成の問題点、課題等を明らかにし、共通認識の構築を行った。さらに、それらのうち 296 枚を分析対象サンプルとして抽出し、その景観画像をコンピュータ上に取り込むことにより、画像中から 31 種類の景観構成要素について含まれるか含まれないかを判定し、景観画像データベースを作成し、数量化III類により、『非住居地域における低層な街路景観』、『商業・業務地区における街路景観』、『低層住居を中心とした眺望景観』、『オープンスペースから望む、展望景観』、『高密な住宅地景観』の 5 つに類型化された。類型の特性把握は以下の通りである,類型1は、ソウル全般に広く分布し、商業地域、工業地域、平地の割合が高くなっており、看板・電柱などが非常に多くみられる。類型2は、都心、副都心の商業地域に多く分布し、平地の割合が高くなおり、高層な建築物により、歴史的建造物が埋没している例が見られる。類型3は、丘陵地に広く分布し、緑地地域の割合が高くなっており、低層な建築物が密集している地域に高層建築物が近接して立地している例がみられる。類型4は、河川の付近に広く分布し、住居地域の割合が高くなっており、高層アパートが視界を遮るように連立する例が見られる。類型5はソウル各所の丘陵、河川付近に多く見られ、住居地域の割合が高くなっており、低層建築物と高層建築物の隣接立地、スカイラインの破壊など様々な景観阻害の例が見られる。 この分析により各類型に属する撮影地点の空間的分布、用途地域の割合、地形条件の割合、景観阻害の状況を観察し、景観類型の特性を把握することができた。 今後の課題は、この結果について、現地に実際に暮らしている住民の評価並びに高密化を引き起こしている要因を明確にする必要がある。
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