1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10045066
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | University-to-University Cooperative Research |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
那須 民江 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 秀蘭 河北医科大学, 副教授
侯 俊 河北医科大学, 教授
太田 節子 信州大学, 医学部・, 助手 (90143974)
久保田 健夫 信州大学, 医学部・, 助手 (70293511)
福嶋 義光 信州大学, 医学部・, 教授 (70273084)
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Keywords | 食堂がん / p53 / 分子疫学 / 喫煙 / 飲酒 / 食生活 / 井戸水 / ビタミン類 |
Research Abstract |
食遣の腫瘍組織にがん抑制遺伝子であるp53に変異が認められることが知られている。しかし、サンプルサイズが小さいことから、そのスペクトルに関してはまだ明らかにされていない。そこで今回中国の食道がん高発地域で収集された67名の食道がん患者の腫瘍組織のp53変異を分析し、そのスペクトルを解析すると共に、環境要因との関連性を検討した。【結果】67名のうち、DNAの抽出が出来なかった2名を除いた65名を解析対象者とした。SSCPでp53遺伝子変異が確認されたのは27名(41.5%)で、男女差は認められなかった。変異はエクソン5(9名)、6(3名)、7(3名)、8(12名)で、エクソン5と8に多く(78%)みられた。対象者の食生活状況をp53遺伝子変異の有無で比較した。両者の間に年齢、総摂取エネルギー、栄養素およびビタミン類の摂取量の差は認められなかった。穀類、緑黄色野菜類、その他の野菜類の摂取量にも差が認められないが、肉類の摂取量はp53遺伝子変異を持たない者の方が低かった。食生活習慣との関連性も検討した。p53遺伝子の変異は喫煙、飲酒、労働強度や辛い食べ物、熱い食べ物、干芋、古い穀類の摂取習慣、とうもろこしや粟の摂取習慣とも関連性を持たなかった。浅い井戸水の使用はほとんど全てのがん患者に認められ、p53変異との関わりは観察されなかった。男女別に解析をすると、男性のp53遺伝子変異の無い者の動物性脂肪の摂取量が低く(p<0.05)、女性では米飯の摂取量に差(P<0.05)が認められた。男女共に、一般的には表に示されている結果と同じで、p53遺伝子変異の無い者の方が、ある者より肉類、野菜類、ビタミン類の摂取量が低い傾向が伺えた。【考察】p53遺伝子変異によると思われる食道がんは約40%で、殆がエクソン5と8の変異であった。p53変異のない患者は概して、肉類、野菜類の摂取量が低いことが判明した。
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[Publications] Nakajima,T.et al: "Expressron of cytochrome P450s and glutathione S-trdnsferoses in human esophayas with squamons-cell carcinmas" Carcinogenesis. 17・9. 1477-1481 (1996)
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[Publications] Nimura Y et al: "Genotyping of the CYPIAI and GSTMI genes in esophageal carcinoma patients with special reference to smoking" Cancer. 80・8. 852-857 (1997)