2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10045066
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
那須 民江 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 節子 信州大学, 医学部, 助手 (90143974)
久保田 健夫 国立精神神経センター, 室長 (70293511)
福嶋 義光 信州大学, 医学部, 教授 (70273084)
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Keywords | 症例-対照研究 / 食習慣 / 食生活 / いも類 / 大豆類 / 野菜類 / 果物類 / p53変異 |
Research Abstract |
1)食道癌高発地域において、患者群(79名)と住民対照群(499名)に対して食生活調査を行った。患者群の性・年齢(±1歳)をマッチさせた対照群を設定し、症例-対照研究から食道癌のリスク要因を明らかにした。患者群の方が頻度が高いのは、食道がんの家族歴(女性)、重労働、井戸水の使用であった。患者群の方が頻度が少ないのは冬季の野菜の摂取量であった。2)食物摂取量で見た場合、患者群の方が多かったのは豚の脂身、トウモロコシであり、少なかったのは大豆類、芋類、海草類、果物類であった。先に行った生態学的研究では、食道がん高発地域住民の芋類、果物類、豆類の摂取は、低発地域住民より低い結果が得られた。高発地域の食道がん患者はこれらの摂取量がさらに低いという結果となり、これらの低摂取が食道がんのリスク要因となっているかもしれない。3)食道癌高発地域と低発地域の癌患者の食道腫瘍組織におけるp53遺伝子変異の頻度は変わらない(約50%)が、そのスペクトルには差異がみられた。高発地域患者77名のうち、p53遺伝子変異が確認されたのは36名(46.8%)で、変異はエクソン5と8に多く(72.2%)みられた。一方、低発地域の患者50名のうち、p53変異が認められたのは24名(48.0%)であり、エクソン7に最も多く(45.8%)、高発地域患者の7名(19.4%)と比べて高いことが判明した。5)対象者の食生活状況をp53遺伝子変異の有無で比較した。高発地域患者においては、p53変異のある者の職業の強度は軽かったが、それ以外の項目にp53変異有無の差は認められなかった。低発地域患者においては、p53変異のある者は「辛い食物の摂取」が多く、この習慣のある者のうち、80%はエクソン7と8の変異であった。また、p53変異は井戸水の使用者や、生水を飲む者に多く、生水を飲む者は全員が井戸水を使用していた。
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