2000 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける人の移動に伴う寄生虫症の動態に関する研究
Project/Area Number |
10045067
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺田 護 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30046297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹添 裕高 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20324345)
石井 明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50107801)
記野 秀人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70115476)
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Keywords | マレーシア / 移民 / 輸入寄生虫症 |
Research Abstract |
本年度は引き続きマレーシアにおける合法および不法移民の寄生虫感染状況について2回の野外調査を実施した。調査地はこれまでと同じネゲリ・センビラン州レンゲンにある不法移民の抑留キャンプ(2000年9月)とセランガ州にあるカレー島のヤシ油プランテーション(2000年10月)である。過去2年間の調査結果の検討から、どちらの調査地においても対照となるマレーシア人労働者の数を増やし、抑留キャンプの不法移民についてはインドネシア以外の国からの移民の数を多くした。また、プランテーションにおいては以前の調査で熱帯熱マラリア原虫に感染していた被験者について追跡調査を行った。 3年間の調査の結果、総計で741名の調査を行い、その内訳は不法移民308名、合法移民221名、マレーシア人労働者212名であった。不法移民についてはインドネシアが157名と過半数を占め、以下3名のアフリカ人の他はすべてアジア諸国からの移民であった。合法移民はほとんどがインドネシア人であった。また、マレーシア人はマレー系、先住民、インド系に区別できた。 全体として不法移民が他の群に比べ感染率が高かったが、中でも病原性原虫および外部寄生虫の感染率が高く、主に衛生状態の悪さを反映する結果と思われた。合法移民については不顕性マラリアが多く見られたことが特徴であったが、追跡調査で調べられた4名の被験者はいずれも陰性であった。これは母国への一時帰国に伴って感染した典型的な輸入寄生虫症と考えられた。対照群ではそれぞれの民族性に由来する生活習慣の違いが寄生虫感染にも反映していると考えられた。また、出身国の違いが感染状況にも反映され、移民の寄生虫相を考える上では重要な指標であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)