2000 Fiscal Year Annual Research Report
肥満糖尿病に関する国際比較研究-環境および遺伝因子の解析-
Project/Area Number |
10045072
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
坂田 利家 大分医科大学, 医学部, 教授 (50037420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 祐士 大分医科大学, 医学部, 助教授 (80150936)
吉松 博信 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00166993)
寺尾 英夫 大分大学, 保健管理センター, 教授 (10128192)
桶田 俊光 大分医科大学, 医学部, 教授 (60136439)
浜口 和之 大分医科大学, 医学部, 講師 (60180931)
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Keywords | 糖尿病 / 肥満 / 生活習慣病 / 疫学 / 高脂血症 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
肥満糖尿病は生活習慣病の代表的疾患であり、遺伝要因に環境要因が複雑に絡み合って発症してくる。近年のカルパイン10遺伝子の解析結果からも、糖尿病の疾患感受性遺伝子とは糖代謝と何らかの関連を有する遺伝子の多型(ハプロタイプ)であると考えられる。遺伝子多型が人種によってその頻度が異なることや環境の影響を受けることなどを考慮すると、肥満糖尿病の発症に関する遺伝子を究明するためには複数の人種を対象にした解析が必要になってくる。 我々はドミニカ共和国サントドミンゴ市にある国立糖尿病内分泌栄養研究所(INDEN)との国際協力体制を確立し、平成10年度から3年計画で「肥満糖尿病に関する国際比較研究」を進行させてきた。ドミニカ人はアフリカ系黒人とスペイン系白人の混血であり、我々のこれまでの調査で同国の肥満糖尿病患者は日本人の約2〜3倍の頻度で存在することが分かった。今回、インフォームドコンセントのもとにドミニカ人180名の肥満糖尿病患者および健常者からゲノムDNAを採取し、肥満糖尿病関連遺伝子につき解析を施行した。 PC-1(plasma cell glycoprotein-1)はインスリン受容体のチロシンリン酸化を抑制する膜糖タンパクである。PC-1遺伝子の多型のうち、インスリン抵抗性と強い相関が報告されている対立遺伝子が日本人肥満糖尿病患者では18%に存在する。これに対し、ドミニカ人肥満糖尿病患者では85%の高頻度に存在していることを見出した。これに対して、最近メキシコ系アメリカ人で報告されたカルパイン10遺伝子の糖尿病疾患感受性遺伝多型やβ_3アドレナリン受容体遺伝子多型が欧米人並の頻度で存在することも見出した。このような多型が独立して効いているのか、それとも何らかの環境要因と関連するのかを検討するために、生活習慣に関する様々な交絡因子を加味した解析を行った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Masaki T. et al.: "Targeted Disruption of Histamine H1-Receptor Attenuates Regulatory Effects of Leptin on Feeding, Adiposity and UCP Family in Mice"Diabetes.. (in press).
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[Publications] Kondou S. et al.: "Molecular cloning of rat brain mitochondrial carrier protein-1 cDNA and its up-regulation during postnatal development"Biochim.Biophy.Acta.. 1457. 182-189 (2000)
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[Publications] Yoshimatsu H. et al.: "Hypothalamic neuronal histamine as a target of leptin in feeding behavior,"Diabetes. 48. 2286-2291 (1999)
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[Publications] Hidaka S. et al.: "Streptozotocin treatment upregulates uncoupling protein 3 expression in the rat heart,"Diabetes. 48. 430-435 (1999)
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[Publications] Masakt T. et al.: "Up-regulation of uterine UCP2 and UCP3 in pregnant rats,"Biochim.Biophy.Acta.. 1440. 81-85 (1999)
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[Publications] Masaki T, et al.: "Tumornecrosis factor-α regulates in vivo expression of the rat UCP family differentially."Biochim.Biophy.Acta.. 1436. 585-592 (1999)
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[Publications] Sakata T, et al.: "Control Mechanisms of Stress and Emotion : Neuroendocrine-Based Studies."Eds.by Yamashita H,Funder JW,Verbails JG,Ueta Y,Endo Y,Elsevier. 359 (1999)
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[Publications] Sakata T, et al.: "Progress in Obesity Research 1998"Eds.by B.Guy-Grand and G.Aihoud,John Libbey. 679 (1999)