1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10045074
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
加藤 貞文 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00275546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 淳 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20198469)
嶋村 正 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70162691)
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Keywords | コンピューターシュミレーション / 胸郭出口症候群 / 誘発試験 |
Research Abstract |
胸郭出口症候群の発症には動的因子、殊に姿勢、筋の緊張などが密接に関連していると考えられている。しかし、胸郭出口症候群における症状出現の機序は充分に解明されているとは言い難い。その主たる要因は、胸郭出口症候群の構成要素の姿勢、運動などに伴う三次元的変化が解明されていない殊にある。 ジョンズ・ホプキンス大学で生体力学モデル(骨格をコンピューター上で三次元再構築し、その骨が他動的に動かされた軌道を正確に再現するモデル)を作製した。モデルの作製は、まず解凍した凍結新鮮屍体の鎖骨、胸骨、および肩甲骨にFlock of Birdsのセンサーを設置した。次に屍体標本をジグ(ジグにはFlock of Birdsのソースを設置)に固定した後、胸郭出口症候群の誘発試験となで肩姿勢を他動的に再現して、それぞれのセンサーのソースを基準とした位置変化(運動軌跡情報)を記録した。そして、骨や疑似ソース、センサー(ソースやセンサーが設置されていたところに造影剤が満たされたプラスティック製の箱)をX線CTにて撮影し画像情報を得た。その後、画像情報から骨や疑似ソース、センサーを再構成して三次元骨格モデルを作り、そのモデルに運動軌跡情報を与えて骨で構成された生体力学モデルを完成させた。胸郭出口症候群の病変部位のひとつである肋鎖間隙の胸郭出口症候群の誘発試験、なで肩姿勢における面積を計算した。結果は、誘発試験であるWright testでの肋鎖間隙面積の減少は、なで肩姿勢でのそれに比較して有意であった。Eden testではなで肩姿勢と比して有意差はでなかったが、肋鎖間隙面積の減少を認めた。さらに、鎖骨-第1肋骨間距離でも肋鎖間隙面積と同様の結果を得た。最小となる鎖骨-第1肋骨間距離は神経の圧迫を起こしうる程度に小さいと考えられた。
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Research Products
(2 results)