1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本と台湾における糖尿病患者の病態と食生活の比較検討
Project/Area Number |
10045079
|
Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
|
Section | University-to-University Cooperative Research |
Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
泉 寛治 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (40193370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 世爵 中山医学院, 栄養学部・大学院
劉 承慈 中山医学院, 栄養科学研究所, 副教授
蘇 国雄 中山医学院, 栄養学部, 教授
梅沢 真樹子 甲子園大学, 講師 (80231182)
泉 寛治 甲子園大学, 教授 (40193370)
|
Keywords | 糖尿病 / 食事調査 / 食生活 / 台湾 / 日本 / 血液生化学 / 治療 / BMI |
Research Abstract |
日本と台湾の糖尿病患者54名を対象に病状、治療状態、尿検査、血液生化学検査等について比較検討した。 比較については全体、性別、年齢別、Body&Mass Index(BMI)別、HbAic別において行った。 全体的にみると、日本では糖尿病の初期から治療を行っているのに対し、台湾ではかなり悪化してからの治療であり、台湾の患者の方が病状が進んでいた。性別では日本の男性と女性のコレステロール、中性脂肪を比較すると、女性の方が男性よりも有意に高値を示した。年齢別では台湾の男性60歳以上の尿素窒素、クレアチニンは高値を示しており、腎機能の低下が考えられた。また、台湾の60歳未満の者は、HDLコレステロールが60歳以上の者の半分程度になっており、抗動脈硬化作用が少なく、冠動脈疾患にかかりやすい状態になっていると考えられた。台湾の男性60歳未満のGOT・GPTは高値を示しており、肝機能の低下が考えられた。BMI別では台湾の60歳未満でBM124.2未満の者ではHbAicが有意に高値を示し、血糖コントロールが悪く、病状の悪化している者が多いと考えられる。HbAic別では台湾のHbAic8%以上の者のGOT・GPTが特に高値を示していた。 以上のことにより、台湾では特に早急な対策が望まれる。 現在日本と台湾の糖尿病患者各54名の食事調査表の解析を行って総エネルギー量、糖質、脂質、たん白質量、鉄、カルシウム、食塩、各種のビタミンの摂取量を検討している。 日本にも台湾にも長年培われた食文化があり、各種疾患の治療食についても各国の食文化を大切にして食品の量を増減することが行われている。従来の食生活が病態に与えた影響を解析して得られた成果により、国の食文化を大切にした治療食の新しい方策を樹立したい。
|