1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10102006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹市 雅俊 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00025454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 匡 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80213396)
千坂 修 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80188474)
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Keywords | カドヘリン / シナプス / 神経回路 / LTP / p120 |
Research Abstract |
(1) 脳の辺縁系で特に強く発現されるcadherin-11(cad11)ノックアウトマウスの表現系を解析した結果、海馬CAl領域における長期増強(LTP)およびその飽和レベルが、有為に上昇していることが明かになった。神経細胞で発現される細胞接着分予め阻害は、一般にLTPを阻害するので、cad11がシナプスの機能にユニークな役割を果たしていることが示唆された。さらに、このノックアウトマウスの行動を解析した結果、驚愕反射の低下、高架十字迷路テストにおけるopen arm activityの上昇など、恐怖や不安の程度が抑制されていることが明かになった。以上の結果から、cad11がシナプスの可塑性を制御し、ひいては、脳の高次機能を制御していることが、初めて示唆された。 (2) ショウジョウバエの脳で発現するDN-cadherin欠失個体の解析の結果、網膜軸索とその標的細胞の空間的関係に著しい撹乱があることが明らかになった。 (3) ショウジョウバエ7回膜貫通型カドヘリンFlamingo変異の解析や結果,細胞のplaner polarityの決定にも関与していることがわかり、この分子の機能解析に新しい局面を迎えた。 (4) カドヘリンのシナプスにおける機能を分子細胞生物学レベルで研究するために、培養海馬ニューロンを用いてカドヘリンを阻害するシステムを開発し、カドヘリンのドミナントネガティブ分子を組み込んだ発現ベクターを感染させると、樹上突起のパターンが変化することを発見した。 (5) カドヘリン制御因子p120の軸索伸張における役割を研究するため、その変異分子を作製し、神経細胞に導入したところ、軸索伸長に影響を及ぼすという予備的結果が得られ、今後の展開の基礎作りができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Inoue,T.et al.: "Cadherin-6 in the developing mouse brain: Expression along restricted connection systems and synaptic localization suggest a potential role in neuronal circuitry." Develop.Dynamics. 211. 338-351 (1998)
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[Publications] Arndt,K.et al.: "Cadherin-defined segment and parasagittal cell ribbons in the developing chicken cerebellum." Mol.Cell.Neuroscience. 10. 211-228 (1998)
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[Publications] Wohrn,J-C.P.et al.: "Cadherin expression in the retina and retinofugal pathways of the chicken embryo." J.Comp.Neurology. 396. 20-38 (1998)
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[Publications] Shishido,E.et al.: "Drosophila synapse formation: Regulation by transmembrane protein with Leu-rich repeats,Capricous." Science. 280. 2118-2121 (1998)
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[Publications] Nakagawa,S.et al: "Neural crest emigrafion from the neural tube depends on regulated cadherin expression." Development. 125. 2963-2971 (1998)
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[Publications] Watabe-Uchida,M.et al: "α-Catenin-vinculin interaction functions to organize the apical junctional complex in epithelial cells.." J.Cell Biol.142. 847-857 (1998)