1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10102010
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竜田 邦明 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40051627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 雅久 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50198131)
清水 功雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50134820)
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Keywords | 生理活性 / 全合成 / 活性分離 / 抗エイズ薬 / 抗痴〓薬 / 工業的合成 / 不斉合成 / 分子設計 |
Research Abstract |
多様な活性を有する、下記の天然生理活性物質について、初期の目的である全合成研究をほとんど達成することができたので、本年度から新たな全合成と構造-活性相関研究のための類縁体などの合成を行った。 1)抗エイズウイルス活性と植物の幼根伸長阻害活性を示すテルペスタシン : 既に確立したラセミ体の全合成の方法を活用して、天然型のテルペスタシンを全合成した。抗HIV活性を指標にして構造-活性相関を明かにするため、類縁体を数種合成した。 2)中枢神経活性作用と抗真菌作用を示す物質ES242類 : ES242類の効率の良い全合成を完成した。構造-活性相関研究を行い、抗真菌作用と神経系に対する活性の分離を一部達成した。 3)抗真菌作用、コレステロール低下作用および神経成長因子産生増強作用を有するカルビストリン類 : 昨年度に確立した全合成法を用いて、オクタヒドロナフトピラノン骨格をもつ類縁物質の合成を行い、活性分離を試みた。また、構造ユニットの活性研究から発展させ、トリカルボン酸をもつスルホン酸アミド誘導体が新しい生理活性を示すことを見いだした。 4)神経系に関与するphospholipase C及びGABA receptor ion channelの阻害物質であるカロポロシド類 : マンノースが直鎖部分に直結した類縁体を合成した。さらに、D-マンノースの代わりに種々の糖質を直結させ、構造-活性相関を検討した。その結果、活性分離に新しい知見を得た。 5)抗菌活性と海洋防汚活性をもつシデロキシロナール類 : ヒドロキシイソプロピルフロログルシノールから系中で同時にo-D2キノンメチドとイソプロペニル体を生成させて環状付加反応を行い、基本骨格を合成した。 6)抗菌活性と抗腫瘍活性をもつピラロマイシン類 : アグリコン部分の合成法を確立した後、N-グリコシル化を行い、ピラロマイシン2cの全合成を完成した。 7)その他 : タキソールなどの多環状化合物の不斉合成法の開発およびカルボン酸からアルデヒドへの新しい直接変換反応の開発をさらに発展させた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "The total sythesis and absolute structure of antifungal antibiotics (-)-PF1163A and B"Journal of Antibiotics. 52, 12. 1146-1151 (1999)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "Absolute and atropisometric structure of ES-242s, N-methyl-D-aspartete receptor antagonists"Journal of Antibiotics. 52, 4. 433-436 (1999)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "Synthesis of an N-methyl-D-aspartate receptor antagonists, ES-242-5 and its analogs"Journal of Antibiotics. 52, 4. 422-425 (1999)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "The first total synthesis of sideroxylonal B"Tetrahedron Letters. 40, 10. 1925-1928 (1999)
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[Publications] Kuniaki Tatsuta: "The first total synthesis of pyralomicin 2c"Tetrahedron Letters. 40, 10. 1929-1932 (1999)
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[Publications] Isao Shimizu: "Formation of a palladalactone complex by C-O bond cleavage of diketene promoted by a zelovalent Pd"Chemistry Letters. 1999・7. 685-686 (1999)
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[Publications] Masahisa Nakata: "Reaction of dianions of acetoacetic esters with epibromohydrin derivatives"Tetrahedron Letters. 40, 51. 9077-9080 (1999)