1998 Fiscal Year Annual Research Report
外国人のための効果的な漢字・読解教育を支援する教育データベースの開発
Project/Area Number |
10111201
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
カイザー シュテファン 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (20260466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣川 隆生 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (30282289)
山元 啓史 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (30241756)
小林 典子 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (00241753)
加納 千恵子 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (90204594)
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Keywords | 日本語教育 / データベース / 漢字教育 / 読解教育 / 読解教育 / インターネット |
Research Abstract |
本研究では、特に漢字読解教育に焦点を絞り、CAIを開発するために必要な日本語教材データを開発することである。漢字・読解教材をデータベース化するだけでなく、それを利用する学生の学力の測定や診断を行い、適切な教材提供までを考慮するシステムのためのデータベース開発も視野にいれて、将来的には統合化を目指せるようなデータベース開発を行った。具体的には、中級段階の個別教材が容易に作成できるようにする、興味に応じて、個別教材を選べるようにする、学力を診断した上で、適切な教材を選べるようにする、などの教育活動を支援するのに十分な情報のデータベース化が今までにない、実践的な教育システムのためのデータベースであろうと考える。 本研究においては、19種のデータベースを開発し、教材開発支援、評価支援、教育支援に役立つデータを管理できるようになった。今後の課題として、データは大規模であってもその構造に一貫性を持ち、拡張性、汎用性において頑健であること、数学的に和および差が意味をなす集合として解釈できること、人間が行う実務に即していること、を追求し、データ構造に反映する作業が不可欠となる。 日本語教育においては、1.言語そのものが持つ性質のデータ:文法、漢字、表現など、2.教育そのものが持つ性質のデータ:指導順序、教材、テストなど、3.学生そのものが持つ性質のデータ:難易、習得順序など、の領域固有のデータを取り扱う必要があろうが、現段階では、上記1.のみの研究に終っており、2.の一部はテストデータベースの形で実現しているが、それ以外は、試みが個々の発表論文の形式で終っている。これら論文で提案されている方法をデータベースとして何を用意すればよいかを検討し、実務に移す必要があろう。
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[Publications] 山元 啓史: "専門文献読解のための教材作成支援システムの開発(1)" The first international conference on CASTEL/J. 129-135 (1995)
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[Publications] 山元 啓史: "重要語句の指摘が文章理解に及ぼす影響(1)" 日本科学教育学会年会論文集. 19. 23-24 (1995)
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[Publications] カイザーシュテファン: "漢字学習書アプローチの検討(1)-表音的アプローチ-" 筑波大学留学生センター日本語教育論集. 12. 31-42 (1997)
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[Publications] 加納 千恵子: "漢字テストの評価項目による分類の試み" 日本語教育方法研究会誌. 4(1). 38-39 (1997)
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[Publications] 小林 典子・山元 啓史: "日本語能力の測定-学習者特性とSPOTの得点の関係-" 筑波大学留学生センター日本語教育論集. 12. 125-138 (1997)
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[Publications] 衣川 隆生: "作文の課題によってどのように文章産出過程が変わるか" 筑波大学留学生センター日本語教育論集. 12. 89-104 (1997)