1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10116202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永ノ尾 信悟 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40140959)
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Keywords | ヒンドゥー儀礼 / ヒンドゥー・イスラーム関係 |
Research Abstract |
本年度の課題として以下の点を行った。1.プラーナ文献が伝える年中儀礼の資料の収集は、落ち穂拾い的に、散在する資料の収集にあたった。2.ヒンドゥー儀礼に使用されるマントラのコレクションも、アグニ・プラーナ、マツヤ・プラーナに重点を置き、ほぼ完了しつつある。3.ダルマニバンダでは最も古く重要とされるクリトゥヤカルパタルとチャトゥルヴァルガチンターマニの資料整理を行った。従来から蓄積していたプラーナ文献のマントラのリストをもとに、上記二つのダルマニバンダ文献において、典拠の確認作業を行った。4.アル・ビールーニーの『インド誌』およびアブール・ファズルの『アクバル会典』のヒンドゥー年中儀礼の分析を行った。5.ヒンドゥーとイスラームの文化交渉に重点をおいたターラー・チャンド、アジーズ・アフマド、ムハンマド・ウマルなどの研究書を中心に、イスラーム文献におけるヒンドゥー儀礼への言及を探った。6.H.M.エリオット編の『インドの歴史』に散見するヒンドゥー儀礼への言及の収集を開始した。7.1820年ラクノウで出版されたミルザー・ムハンマド・ハッサン・カティールのペルシャ語で書かれた『ハフトゥ・タマーシャー』のテキストとウルドゥー、ヒンディー訳を入手。19世紀初頭のイスラーム教徒によるヒンドゥー文化の見方の資料として分析をはじめた。7.北インドのビハール州北部の低カーストのヒンドゥー、イスラーム教徒の儀礼の歌の分析を通じて、儀礼の歌から伺うことのできるヒンドゥー・イスラームの関係の考察に着手した。8.イスラーム教徒、特に、シーア派の人々が行うムハッラムの際に、北ビハールの低カースト・イスラーム教徒が歌うマルシアの分析を行った。
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Research Products
(1 results)